大地震などの大災害で一番困るのは水の供給が途絶えること。
我が家ではいざという時のために飲料水はペットボトルで20〜30本、常備しています。電気は日中であれば太陽光発電で1.5KWまでの出力が確保できるので冷蔵庫を冷やすことができ、モバイルバッテリーや様々な機器の充電や、いざとなればピーク消費電力を抑えたエアコンも動かすこともできます。
暖房もカセット式ガスストーブがあるので少しは暖がとれるでしょう。
食料も保存食を常備しているのでかなり長期間賄えると思います。
問題は様々な場面で必要となる生活用水です。食器の洗浄、トイレ、洗濯、清掃等々、至る所で必要になります。この生活用水の貯蔵は意外と盲点で、浴槽の水を使うのが良いとされているものの、浴槽の水が抜かれていることも多く安心できません。また、使い切ったらそれで終わりです。
そこで思いついたのが雨水タンクの設置です。これであれば使い切ったとしても雨さえ降れば補充されます。
基本的には水道水を節約して雨水を庭の水撒きに利用するというのが主たる役割なのでしょうが、我が家では災害時の生活用水の確保を主目的としました。
幸い多くの自治体では、雨水タンクの設置に補助金が出ます。私の住む地域でも100リットル程度の雨水タンクの設置には18,000円を上限とした補助金が出ることが分かりました。
そこで雨水タンクの物色を始めました。
当初は大容量のものがいいかなと思っていましたが場所をかなり取りそうなので、最初導入するものは容量はそこそこでスリムなものをと探した結果、英国ハーコスター社製の100リットルタイプが要望にピッタリであることが分かり、早速見積書を取り寄せ、設置場所の平面図やカタログなどと一緒に補助金申請書類を市の担当部署に送りました。見積もり金額は16,000円を少し超える程度でした。
しばらく待っていると申請が許可され、16,000円の補助金が出るとの知らせが送られてきたのでメーカーに発注しました。人気があって品切れで、2度目の入荷でようやく配達されてきました。市の認可が下りてからかなり日数が経っていました。
いよいよ雨水タンクの設置作業です。
ところが一つ困ったことが起こりました。雨樋に取り付ける集水器と雨水タンクをつなぐパイプが非常に短いのです。雨水タンクを雨樋に近付ければ良いのでしょうがそれでは当初計画していたレイアウトが崩れてしまいます。雨水タンクが非常に邪魔な位置になってしまうのです。
そこで購入した販売店に問い合わせたところ長いパイプは個別に売っていないということでホームセンターを探すことになりました。内径が25mmという割合特殊なもので、探すのに苦労しましたが、多分高水圧用と思われる頑丈なホースを見つけて購入しました。オーバースペックかもしれませんが、内径が合うのはこれくらいしかなかったのです。

準備が整ったのでようやく設置作業の開始です。まずは雨水タンクに蛇口と吸水口の取り付けです。蛇口の取り付けはかなりきついのでレンチがあった方が良いでしょう。まずはねじ込んである栓を外し、そこに蛇口をねじ込みます。
給水口の取り付けは内側から栓を外してから外側から吸水口を差し込み、内側からナットで締め付けます。こちらはそれほど力は必要ありません。水漏れに対してそれほどシビアではないですからね。
続いて集水器の蓋の開口部を雨樋の寸法に合わせてカッターでカットします。私の場合には雨樋が積水の特殊な断面形状だったのでアダプターを介して結合させる必要があったため、アダプターの丸い形状に合わせることになりました。ここではもしかしたらカッターを使うよりはニッパーで切断した方が楽かもしれません。実際私はニッパーで切断しました。

そして最も難しい作業である雨樋の切断と集水器の取り付けです。
どこが難しいかといえば、集水器の高さと雨水タンクの給水口の高さの関係をたぶん5ミリほどの精度で設置する必要があるからです。その理由は、集水器の位置が高すぎると雨樋からの雨水は常に雨水タンク側に流れ、雨水タンクが満水になっても流入が続くために最終的には溢れ出すことになります。反対に集水器の位置が低すぎると雨水は雨水タンクには流入せず、常に従来通り雨樋を流れることになるのです。
水準器を使って慎重に高さを決め、雨樋に切断のための目印のテープを貼り付けます。私の場合にはアダプターの分を勘案して2センチほど上方に余分に切断しました。このアダプターの分が誤差を大きくしてしまったようで、最初は集水器の位置が低すぎて雨樋にだけ水が流れて雨水タンクに水が流れませんでした。タンクの位置を低くしたり、集水器をできるだけ上に上げるように下からあてがったりしてなんとか正常に機能するようにできました。

完成です。

雨水タンクを取り付け終わったその夜に、数ミリほどの雨が降りましたが、翌朝確認して見るとちゃんと雨水タンクに溜まっていました。
まずはめでたしめでたし。
あとは転倒防止用のステンレスチェーンを取り付けるだけです。