日本の新型コロナウイルス

2月上旬頃、諸外国が積極的にPCR検査を進め、感染実態を把握して感染拡大に対処しようとしている中、ただ独り日本だけがPCR検査に消極的であることに非常な違和感を覚えて記事を書きました

そしてもうすぐ4月という時期になっても、いまだに日本だけが異常に少ない検査数のまま新型コロナウイルスの脅威の真っ只中にあります。

異常に厳しい検査基準を設定して検査をさせないようにしていたため、無症状の感染者を把握することができずに感染拡大を助長していました。もはや感染経路など全く把握できず、至る所から感染者が確認される始末。一番恐れていた院内感染も起こるべくして起こり、医療崩壊の危機に直面しつつあります。結局日本は感染拡大に対して何も対策を講じることもなく自然に任せていただけという悲惨な結果になってしまいました。

これはお隣の韓国と対照的な動きです。
韓国では日本の良心的で誠実な専門家が指摘していたのと同じように、できるだけ多くのPCR検査を行い、感染実態を把握して感染拡大を防止するための様々な対策を講じて医療崩壊を防ごうという正攻法で進めていました。これに対して日本のメディアは当初韓国は爆発的に感染者が増加していると連日のように報道し、いかにも韓国は対策に失敗しているかのような印象操作が行われていました。しかし最近は韓国についての報道が全く影を潜めていたのです。

不思議に思って調べてみたら、何と韓国は台湾のように感染拡大の防止に成功しつつあるではありませんか

しかも下図のようにPCR検査数に圧倒的な差があるのにもかかわらず韓国の方が感染者数が非常に少なくなっているのです。

by Esteban Ortiz-Ospina and Joe Hasell (3月20日までの集計)

諸外国も参考にしようと問い合わせが相次いでいるという、日本では全く報道がされていない事実が明らかになりました。日本という国の歪んだ姿がますます明らかになりました。嫌韓を煽る時は連日連夜大手メディアの大合唱、一方韓国の優れた実績に対しては無視。内政に失敗した政府が行う「外に敵を作る」の典型例です。そうです、安倍政権は全てにわたる政策に失敗し続けているとんでも政権なのです。

もう4月になろうとしています。諸外国は巨額の経済対策の具体策を既に策定し実施に向けて動いています。しかし日本では漠然とした方針しか発表されず、いまだに具体策は全く策定されておらず実施されてもいません。3月28日の午後6時から開催された首相記者会見でも、いつものように、あるのは言葉だけです。何の具体策も示されず、実行されている施策についても皆無でした。

そして最も恐ろしいと感じたのはこの言葉でした。ちょっと長いですが引用します。

首相 中国に対してはですね、武漢、湖北省、浙江省に対してですね、入国禁止の措置をとったのは日本は決して遅いほうではないと、いくつかの国では中国全土に対して入国禁止の措置をとった国もありますが、日本はそれほど遅くない時期にですね、とっています。 中国や韓国に対しても、適宜、周辺に対する入国の国境措置はですね、日本はとったのは早いほうなんだろうと、こう思っています。決して遅かったとは考えてはいません。そこでですね、では、今、欧米諸国と比べて相当日本は感染者の数が少ない。PCR検査が少ないじゃないかと、こう言われた。確かにPCR検査の数は少ない中においてですね、私もほぼ毎日のようにですね、厚労省に対して医師が必要とする、判断すれば必ずPCR検査できるようにしてくださいねということは重々申し上げております。日によって少ない日もありますが、なるべくですね、しっかりとPCR検査をしてくださいと言っています。
 では果たして日本は、それを隠しているのかという議論がありますよね。それは私は違うと思います。例えば、死者の数はPCR検査の数が少ないけれども死者の数が多いというわけではありません。では、死者の数、肺炎で亡くなっている方、実はこれコロナではないかとおっしゃる方がいるんですが、コロナウイルスの場合はですね、専門家の先生たちがこれは皆、私も確認したんです、私も、私もですね「これそういう批判があるんだけども、どうなんだろうか」と、PCR検査、これ少なくて、という話で伺ったんですが、これは、肺炎で亡くなった方については基本的に肺炎になって最後CTを必ず撮ります。
 CTにおいてですね、間質性肺炎の症状が出た方は必ずコロナを疑います。必ず。そういう方については、必ずPCR、大体PCRをやっておられます。
 ですから、そこで、間質性肺炎でない肺炎で、例えば細菌性等の肺炎でですね亡くなられた方等について言えばですね、これはコロナではない。コロナではなくて肺炎で亡くなった方はコロナではないんだという説明を私は受けて、私は納得したところであります。

中国からの観光客が最も多いのにもかかわらず、新型コロナウイルスが蔓延しつつある時も無制限に受け入れていた事実は完全にねじ曲げられています。しかもその観光客の接点である人たちのPCR検査もほとんどされていません。その時点でもう感染経路が分からない感染拡大が始まっていたのです。

そして現在に至るまでPCR検査がなぜ日本は少ないかの説明が全くありません。PCR検査をするようにお願いしているという言いようは、逆に言えば具体的にPCR検査を積極的に増やす施策を全く実施していないということです。

そして最後の、肺炎で既に亡くなった方々について間質性肺炎であれば必ずPCR検査をしていると言っている件は疑わざるを得ません。医師が通常の細菌やウイルスによる肺炎ではないとして検査すべきと申し出ても断られる事例が頻発しているのですから。
とにかくいつものように理路整然としておらず何を言っているのか分からない内容です。これは騙そうという意思しか感じられないいつもの安倍首相の典型的な答弁ですね。

そして安倍政権に目立つのは全て言葉だけで実際には何もやらないこと。これがこの政権の一貫した姿勢です。そしていつの間にか目標が変わってまた言葉だけの華々しい新目標の発表。前回の目標がどうなったのかが分からないように次々に新しい言葉で新しい目標を繰り出す。この連続でした。そして何も残らず日本は衰退の一途。
これがこの新型肺炎コロナウイルスの脅威に対しても全く同じに繰り返されているのです。言葉だけ華々しい経済対策が現実には何も実施されず、医療崩壊が危惧されているのに軽症者や無症状感染者を隔離する施設の準備もスキームも全く手付かず、医療組織を感染症対応と通常医療に分ける体制も未整備、重症患者の生命を左右する人工呼吸器の確保に至ってはようやく3月29日に調整中とか呑気な発表。要するになーんにもやっていないのです。
この政権は一体なんのために存在しているのでしょう?オリンピックを開催するためですか?自分たちを守るためだけに存在しているとしか思えません。
国民や国にとって政権などどうでも良いのです。国民が、国が残らなければ意味がないのです。政権こそ国民にとっては消耗品であり、コロナ対策に全力を尽くした後は政権を明け渡すくらいの覚悟で望まなければこの国難を克服できるはずがありません。自分可愛さに国民や国を犠牲にするような政権はとっとと消えて、他の政権に代わって欲しいものです。

自衛隊の日報、森友学園、加計学園、勤労統計データ改竄、桜を見る会疑惑、挙げれば切りが無いほどの嘘と隠蔽、改竄にまみれた安倍政権が行う新型コロナウイルス対策を100%信頼できる人がいるとしたら実におめでたい方としか言いようがありません。
まあこれだけの疑惑を抱えた政権が7年間、しかもいまだに50%近い支持を集めていることに、東洋の奇跡、あるいは世界の七不思議として後世の歴史に刻まれるのではないかと個人的には想像しています。
とにかくとんでもない日本に生を享けてしまったものです。