線量計

放射能汚染地図がようやく公表され、大まかには自分の住む地域の汚染状態を把握できるようになってきました。しかし、本当に狭い場所の線量はこれでは分かりません。
特にあの世田谷の例に見るような場合には、自分で直接線量を計測する以外に知ることはできません。
人間が感知できないが故に、放射線は本当に恐ろしいものです。知らない間に大量被爆をしていたということも無きにしも非ずなのです。
そこで、孫たちのためにも、身の回りの線量を自分で直接計りたいものだとずっと考えていました。
幸い、一時は通常の数倍という高値で売られていた線量計も、ようやく元の適正な価格に戻ってきました。
線量計と言っても、プロ仕様の数十万円もするものから、最近では国産でも一万円を切るようなものまで様々です。
インターネットで色々調べた結果、実績があって手頃な価格(送料込みで13,500円程度)のロシア製線量計、SOEKS-01Mを購入することにしました。

線量計SOEKS-01M 線量計SOEKS-01M

この線量計は検出器にロシア製のガイガーミュラー管(GM管SBM-20)を使用していてγ線とβ線を検出できます。
以前の古い型の物(SOEKS-01)は、中国製の感度の低い物が使われていたようです。それにファームウエアが頻繁にバージョンアップされており、最新の1.CLバージョンでは、以前に比べて断然使いやすくなっており、安定性も向上しているようです。
本体はロシア語と英語表示にしか対応していませんが、簡単な日本語の説明書がついている場合が多いので戸惑うことはないでしょう。でも古いバージョンを元に書かれた物なので、新しい機能や警告音閾値のバグについては触れられていません。詳しくはインターネットで検索すれば簡単に知ることができます。
この線量計は計測を10秒間で行い、過去12回の計測の平均値を測定値として表示します。かなり高速に測定できる機種だと思います。
しかし校正がγ線で行われていて、β線では実際の10倍ほどの感度になってしまうようで、表示される数値の0.7~0.8倍くらいが正しい数値と考えた方が良いようです。
実際に我が家の室内、庭の一部で腰の高さ程度で測定した結果は0.13程度でした。要するに0.1μS前後ということです。取り敢えずは異常値が出なくて一安心です。
次に毎日歩いている散歩コースで何カ所か数値を計ってみました。
6カ所で計測した結果、0.1~0.18μSでした。換算値で0.07~0.14μSになります。まあ何とか安全と言えるレベルですね。
これからも機会を見ては測定ポイントを増やしていきたいと思います。
また、子供たちにも貸し出して、生活圏の線量レベルをきちんと把握させるつもりです。
それにしても相変わらず食品の放射線量数値の公表が不十分です。
基準値以下という曖昧な表現でなく、きちんと数値を出して欲しいと思います。その数値が受け入れられるかどうかは消費者に決定権があるべきです。売り手側の論理で幼い命を生け贄にして欲しくありません。
それにサンプリング数があまりにも少なすぎます。放射能汚染地図でも分かるように汚染地域の分布は単純ではありません。だからこそ全数検査に近いことをしなければ安全とは言い切れないはずです。
チェルノブイリ事故の被害地域であるベラルーシなどでは、小学校単位に測定器が用意され、住人が全ての食品の線量を測定できるようになっています。豊かで科学技術の進んだ日本で何故できていないのでしょうか?
まして汚染地域で生産され市場に流通させるものは、全て測定値を記載することを義務づけるくらいのことは当然でしょう。そしてその測定にかかる費用は当然原発事故責任者が負担すべきです。
風評被害と連呼する風潮にありますが、それを言うならまず安全であることを実証する責任があると思うのです。消費者が犠牲になるのが当然と思うならば、それは全く的外れの論理です。
責めを負うべきは、この甚大な被害をもたらした原発を推進してきた人々であって、放射能汚染から少しでも逃れようとする人々ではありません。強引に原発を推進してきた自民党そして官僚たち、東電を始めとする電力業界、潤沢で安い電気料金という甘い汁だけを吸って、こんな悲惨な状況が起きたにもかかわらず責任を全く感じることもなく無神経にも原発再開を叫び続ける経団連、そして金に魂を売って原発建設を支えた人々、そして原発は安全という報道を垂れ流し続けてきたマスコミこそが今回の原発事故の責任を負うべきなのだと思います。