長い間、あーでもない、こーでもないと迷走していたのは音楽観賞用の機器の選定でした。
中途半端なものではやはり聴き込んでいくと不満が出てくる、かといってこの世界は上を見ればきりがない。それこそ家一軒建ってしまいそうな狂気の世界。どこで折り合いをつけるかは各人それぞれの事情に合わせるしかありません。
私が一つコンセプトにしたのは音楽とともに映像もそれなりのクオリティで楽しめ、シンプルなシステム構成にすることでした。メディアの媒体としてはCD、SACD、DVD、Blue-rayはもちろん、ネットワークを介したNASからのデジタルデータの再生でした。
これらをひとまとめに取り扱える機器はユニバーサルプレーヤーと呼ばれるものしかありません。しかしこのユニバーサルプレーヤーはちゃちなものが多く、特にオーディオ部分はほんの付録的な品質しかないのが一般的でした。
ところが2015年夏にOPPOから発売された「BDP-105D JAPAN LIMITED」は、映像部分のクオリティに加えてオーディオ部分に大幅な改良を加えられ、ハイエンドのオーディオ機器に匹敵する性能を持つに至りました。
非常に高価な機器ではありますが、これ一台で全ての媒体の高品質再生が可能になるということでシステム全体としては安くなるわけで導入に踏み切ったわけです。

「BDP-105D JAPAN LIMITED」の音質を十分に生かすにはプリメインアンプとスピーカーをそれなりのものにしなければなりません。スピーカーはかねてから気になっていた Bowers & Wilkins ( B & W ) の「CM9 S2」を選びました。高精細な分解能の高い音質が好みなのです。

B & W のスピーカーと相性が良いと言われているのが Marantz のプリメインアンプです。「PM-14S1」クラスで十分だとは思いましたが、長く使うつもりなのでその上の「PM-11S3」を選びました。さすがにフラグシップ機らしく重量級で27kg近くあります。ちゃちなラックでは歪んでしまいますね。

そして普段のメインとなるメディアは Synology社のNAS、「DS916+」です。

ここに過去に購入したCDからリッピングした数千曲の音楽データや録画、写真が格納されており、iPadやiPhoneのDLNA再生アプリ、例えば mconnect などで「BDP-105D JAPAN LIMITED」をDLNAレンダラーとして再生しています。
音質は実に素晴らしく、今までのモヤモヤした不満は全く感じません。非常に狭い部屋なので大音量を出すわけではなく、プリメインアンプもせいぜい36dB程度に絞っているのですが、A級アンプでもないのに歪みは全く感じません。
映像もアップスケール機能が優秀で実に美しく表示されます。4Kテレビで見れば今までのDVDもずいぶん違って見えるのではないでしょうか?
とにかくこれで打ち止めとばかり思いっきり奮発したシステムだけあって十分満足のいく結果を得ることができました。