つい先日、何気なくある通販サイトを見ていたら、とんでもないものが目に入ってしまいました。
何と、Windows Home Server Power Pack 3 と日立の500GB HDDのセットが9,980円!
思わず衝動買いしてしまいました。お小遣いも残り少ないというのに…
このWindows Home Server(以下WHSと略す)で何を目論んでいるかというと、2台あるデスクトップPCとノートPCのバックアップとファイル共有の効率化です。
PCのバックアップは今はデータだけをNASに半自動で行っています。WHSではPC全体のバックアップをできるだけ簡単にしかも高速に行いたいわけです。WHSの良いところは、バックアップに必要な容量が元のデータより少なくて済むこと、復元の時に、ファイル単位、フォルダ単位、全体と、様々な状況に対応していることなどです。
さてWHSをインストールするPCを何にするかが問題です。サーバーなのですから、基本的には24時間稼働が原則です。従って消費電力ができるだけ少ないものが望ましいわけです。そこで現在は使用頻度が低くなっているShuttleのベアボーン、SN78SH7を使用することにしました。ところが後述しますが、これが思わぬ落とし穴で、解決に手間取ることになったのです。
PCのバックアップが主目的ですから、当然HDDはそれなりに大容量のものが必要です。最近ではとうとう3TBという巨大な容量のHDDが発売開始になりました。しかしこんな初物を購入するほど余裕があるわけではないし、そもそもXPでは3TBを扱えないので、まずは手持ちの1TBのHDDを2つ使うことにしました。
インストールは実に簡単で、何の問題もありませんでした。
ところがいざ他のPCにコネクターソフトウエアをインストールしてバックアップを取ろうとすると問題が発生しました。PC側からWHSのコンソールをどうしても開けないのです。そして時間が経つとPCとサーバーの接続が切れてしまうのです。しばらく悩みました。そして結論が出ました。
Shuttleのベアボーン、SN78SH7はnVIDIAのチップセットを使っており、オンボードのビデオもnVIDIA製です。実はこのnVIDIAのビデオドライバーがWindows Home Serverの不具合の元凶だったのです。ビデオドライバーだけを削除したら、嘘のように今までの不具合は解消しました。
これで全て解決かとホッとしたのもつかの間です。
今度はどうしてもPCのバックアップに失敗するのです。そして失敗するとやがて全てのPCとの接続が切れてしまいます。もうどうすることもできません。最終的な結論は、nVIDIAのチップセットとの相性問題であると言う他はありませんでした。たぶん最新のチップセット用ドライバにアップデートすれば解決するとは思うのですが、そこまで確認するのが面倒なので・・・。
仕方ないので次なる策を考えました。
うまい具合に実にタイミング良く、WHSにお誂え向きの非常に安価なサーバーを見つけてしまったのです。
NECのExpress5800/GT110bで、送料込み16,800円。日本で組み立てられているため実にしっかりとしています。そして低消費電力。たぶんアイドル状態では30W台でしょう。
付属品もこんなに付いてきます、安いのに・・・。本当はキーボードやマウスはいらないのですけれどね。
内部はこんな感じでゆったりとしています。3.5インチHDD用のシャドウベイ(4台収納可能)は着脱自在で、とてもしっかりとしていて、振動防止用のゴムストッパーなど細かい所まで気を配った作りになっています。しかも側板を外した側にHDDの配線側が向くようになっているので、HDDの取り付けが非常に楽です。
電源もしっかりしています。80PLUS Bronzeの認定が取れたものを使っています。
気流の流れがよいのか、背面のファンとCPUファンだけで十分冷却できています。そのため起動時の数秒間を除けば音にはほとんど気付かないくらい静かです。
ただ難点はメモリに比較的高価なUnbuffered ECCメモリが必要なことでしょうか。でも幸いなことに今はメモリは暴落状態。比較的安価にメモリを入手することができます。
これはKingston 1GB 1066MHz DDR3 ECC CL7 DIMM KVR1066D3E7/1Gで、送料込みで2,056円でした。
32ビットのOSですし、当分は2GBのメモリがあれば十分でしょう。
実はその後Kingstonの2GB×2のメモリを4千円台で確保してあるのですが・・・。
このGT110bにShuttleのベアボーンから外した2台の1TB HDDを取り付けてWHSをインストールし直しました。全く問題なくインストール完了です。その後、LANアダプタのドライバーは付属のDVDから、他のコントローラーのドライバーはあらかじめインテルのサイトからダウンロードしてあったものをインストールしました。これでセットアップ完了です。しかし更新のソフトウエアが100個以上もあって、これをダウンロードしてインストールするのが一手間でした。
サーバーということでディスプレイレスが基本です。しかし何かと手を入れたいのでVNCサーバーをインストールしました。これは制約がない分、マイクロソフトのリモートデスクトップよりも遙かに便利です。ちょっとセキュリティ的に危ない所もありますが・・・。まあ通常の使用方法でホームネットワークだけで使う分には問題ないでしょう。
WHSをインストールしたGT110bに、例えばULTRAVNCのサーバーソフトをインストールし、既存の他のPCにクライアントソフトをインストールしてViewerで見れば次のような表示になり、他のPCからWHSを自由に操作できます。BIOSの設定以外は、GT110bにディスプレイは全く不要ですね。
これは実に快適です。
まだコネクターソフトウエアのインストールはしておらず、PCのバックアップは設定していませんが、ファイルサーバーとして利用するだけでも大変有用です。従来のNASとは比べものにならないほどの高速転送が可能で、そのレスポンスの良さは感動ものです。安定して60~70MB/sの読み書き速度が出ています。高価なNASなど購入せずに、WHSでファイルサーバーを組んだ方がコストパフォーマンスが良いのではないでしょうか。