氷山の一角

普通の神経であれば、当然もっと早く辞任すべき経済産業省幹部が、更迭という形で嫌々辞めざるを得ないことになりました。しかしこんなささやかなことでは、官僚や経済界、政界に深く根を張った不正の巨大組織は痛くも痒くもないでしょう。また似たような連中が後釜に座るだけです。がん細胞のように生命力の強い連中を弱らせるのは、栄養を補給する血管を断ち切るしかありません。その血管とは、税金を吸い上げる「国の外郭団体」や、「天下り」といわれる、民間企業からおいしい栄養を汲み上げる仕組みのことです。この仕組みをぶち壊せる人こそ、国や国民のことを真剣に考えている本当の政治家だと思いますよ。
それにしても呆れて開いた口が塞がらない事態が続いています。今回の原発事故の片棒を担いでいた経団連が、謝罪して原発事故の被害者の賠償に当たるどころか、鉄面皮にも被害者面をして脱原発を目指す管首相を非難し続けているのです。恥知らずですねぇ。人の命や幸せなど眼中になく、金金金しか頭にない連中ですから当然といえば当然なのですが。
自民党も相変わらずで、原発事故の反省など微塵もなく、現政権を攻撃して政権を奪回することだけが目的という浅ましい姿を曝し続けています。それでも支持率が上がるのですからこの国の国民はどういう神経をしているのでしょう?
一方マスコミでは、誰に指示されているのか知りませんが、例のNHKが、NHKのスポークスマンとでもいうべきお気に入りの玄海町町長を全国ネットに登場させ、経済産業省幹部の辞任より、管首相が辞任すべきだなどというとんでもないことを言わせています。大好きな佐賀県知事といい、NHKは一体全体誰に操られているのでしょう。見え見えのような気もしますが。管政権でなかったら経済産業省の幹部達を辞任させることはなかったでしょうね。だから管降ろしが激しいのでしょうが。
しかし恐ろしいほどの腐敗が進んでいるのですね。
これも国民の怠慢と愚かさのなせる結果なのでしょう。
官僚や財界は国民を完全に舐めきっています。だって何をやっても非難の矛先は全く別の所に行ってしまうのですから。今の日本のマスコミなんか、ちょっと脅せばどうにでもなりますからね。自分たちの都合の良い方向に世論を形成することができます。街の声を聞くとマスコミで流されたような考えがあたかも自分の考えであるように判で押したように多数から聞こえてきますから。マスコミのコントロール作戦は効を奏しているようです。
大多数の人にとっては、自分で情報を取捨選択して自分の頭で考えるということが難しいようです。
それをよく知っているのですね、官僚や財界、政界の悪賢い連中は。
民主主義って本当に難しいです。
肝心の大衆が全く頼りにならないのですから。