福島第一原発の事故を受けて世界各国の反応は様々ですが、名実ともに先進国のドイツの反応はさすがでした。
事故を受けて一時停止させている旧型の原発7基について、航空機事故に対する安全性が確保されていないということで廃炉にすべきという見解を発表しました。
これはまさに私が常々思っていたことです。
原発事故は何も地震や津波だけで起こるわけではなく、航空機の墜落、テロ、隕石の衝突など、我々が予測できないような、後になってしばしば使われる想定外という言葉で片付けられてしまうような原因でも起こりうるのです。考えたくもないのですが、特に戦争では、原発は最大のウイークポイントになるでしょうね。核攻撃をしなくても通常兵器で原発を攻撃するだけで日本全体が半永久的に人間の住めない土地になるのですから。馬鹿な話ですが、核兵器で自分自身を攻撃するようなものなのです。
事故というものは何が原因で起こるのか当初は予測できないものです。ですから事故対策が万全であるということはあり得ないはずなのです。対策が万全というのは、想定した原因であればそれに対して万全だというだけのことなのです。そしてその想定自体が万全ということはあり得ないのですから、事故は必ず起こるものと考えるのが自然でしょう。
前にも書いたように、事故が起こらないような対策をすることは当たり前なのですが、それよりももっと大切で最優先に考えられなければならないことは、事故が起こった時の重大性です。一度事故が起こったらどんなことになるのか、原発事故の貴重な前例になったチェルノブイリを知ればそれがよく分かるはずです。事故から25年、いまだに炉心は高温で、非常に高い放射能を出し続けています。これを閉じ込めるためにはなお100年単位の管理が必要とされ、これを万全に成し遂げるためにはウクライナの国家予算では足りないほどなのです。
原発がなくなると経済が衰退するといった単純な議論がなされがちですが、一度原発が事故を起こしたら、国家が滅亡するほどのダメージが生じるのです。
それでも原発を作り続けた人類の愚かさには呆れるばかりですが、安易な経済優先論が、地球温暖化だけでなく、原発事故による全地球的放射能汚染の危険性を増大させている現状には戦慄を覚えます。
ニュージーランドのような先進国のように、原発は全くなく、水力、地熱、風力のような再生可能エネルギーで全電力の8割程度を賄っている所もあることは希望です。アメリカや日本のような後進国は、ニュージーランドやオーストリア、ドイツ、北欧などの先進国に一歩でも近付けるように、国民自身がしっかりとした自覚を持って誤りのない選択をしなければならないと思います。
願わくは、今回の原発事故を契機に、日本こそが再生可能エネルギーの最先端を走って欲しいものです。エネルギー関連予算の大半を原発に注ぎ込んできた今までのやり方を止め、再生可能エネルギーの研究開発実用化に振り向ければ、また道は拓けてくると思います。自民党で駄目になった国作りを、新しい政権で何とか正しい道に戻して欲しいと念じるばかりです。しかし肝心の国民が、、、非常に不安ではありますが、、、