まさかこんな事が、、、

いつかは起こるかも知れないが、まさか自分が生きている間に起こるとは全く考えていませんでした。
地球の地殻変動は大陸を移動させるほどのパワーを持っているのですから、どんな大規模な変動が起こるのかは誰にも予測できないだろうと思います。ですから、普段からそれに備えるといっても、自ずから限界があるのも確かです。
今回の大地震と大津波は、まさにあらゆる予測と備えを遙かに超えたものでした。まさに人智の及ぶところではなかったのです。
不幸にしてこの猛威の犠牲となられた方々に、心からお悔やみを申し上げます。
生きたくても生きられなかった多くの人たちのことを思えば、幸運にも今回の災害を回避できた人たちは、改めて自分の幸せに感謝し、一日一日の大切さを噛みしめて生きなければならないと思います。
計画停電や多少の物不足で不平不満を言うべきではないと思うのです。
そしていまだに不幸のどん底にある被災者に、それぞれができる最大限の支援をすべき時でもあります。
買いだめに走って被災者の救援活動を妨害したり、火事場泥棒的に他人の不幸を利用して自分だけの利益を図ろうとする行為は、人間として生存する意味を問われかねない極めて下劣な行為です。
また、政治の世界にみられる非常に下劣な行動にも怒りを覚えます。
国民や国に対する視点が全くありません。自分の立場や政党にどれだけ有利か不利かだけしか考えていないのではないかと思われる発言、行動が顕著です。特に自民党は酷い。この惨事までも政争の具として、政権を奪還することしか考えていないようです。これでいかに彼らが国民のことを考えていなかったかがよく分かります。
ジャーナリズムも国民の目線で非常に優れた報道をしているところがあるかと思えば、官房長官の会見などで重箱の隅を突っつくような枝葉末節的な質問しかできない記者が大多数です。記者のレベルも長期自民党政権下で極度に低下してしまったようです。政治的な問題でも、本質的な国政の議論はほとんどなされず、スキャンダルやどうでも良いような問題を、自民党などと一緒に騒ぎ立てて国民生活や国政を停滞させてきました。
今回の大惨事で今まで見えづらかった真実が明らかになってきたように思います。
そして追い打ちをかけたのが原発事故です。
資源のない日本にとって、原発は理想的なエネルギー供給手段のように見えます。そしてクリーンだと。
私はずっと原発には反対してきました。その理由はただ一つ、原子力は一度間違えば人間の手に負えなくなるものだという認識です。
なんでも考えた通りに上手く制御できれば確かに問題はないでしょう。しかし100%確実に制御できることはあり得ないのです。人間の考えることそして操作には、必ず間違いが生じます。そして間違いが起こった時に、原子力は広範囲かつ長期間にわたって収拾がつかない事態を招く非常に危険な技術なのです。想定外だったなどと言って済まされるものではないのです。
原発のように非常に危険な技術に対しては、事故を起こさないという発想以前に、事故が起こったらどうなるかを正しく評価することが大切です。このような考え方がなされていれば、地震が多発する日本列島に、原発を気軽にたくさん作ろうとする馬鹿な人間はいなかったはずなのですが。
フランスやアメリカなどのように広大な領土を持ち、地震や津波と無縁の国々の原発を引き合いに出して日本の原発建設の正しさを主張するなど、ペテン以外の何物でもないと思います。そのような国々でさえ、使用済み燃料の保管や廃炉、原子炉解体には非常に苦労していて、完全な解決策を見いだしていないのです。
火力、水力、太陽光、風力等々では、たとえコントロールを失ったとしても、その程度は原子力に比べれば非常に限定的です。また維持や解体に掛かる手間も原発に比べたら桁違いに小さいのです。
今こそ原子力から決別し、国を挙げて知恵を振り絞って原子力に代わるエネルギー供給方法を作り出さなければならないと思います。今まで何で行われてこなかったのか不思議でならないのですが、少なくとも税金で作られる施設や、大量に電力を消費する大企業には、太陽光発電の設置を義務づけて欲しいものです。
原発で被害の拡大を阻止するために、東電の社員を始め、名もない多くの人々が、文字通り必死で作業に当たっています。彼らこそ最大の被害者なのかもしれません。
原発建設を推進してきた真の責任者達は、何をしているのでしょうか?
被害を受けるのは常に何も知らない末端の人々です。
でも何も知らないでは済まされないのです。原発に反対することを投票の場で実行する機会は今までにたくさんありました。それを行わなかったからこんな悲惨な事態になってしまったとも言えるのです。
今回の震災に対して不謹慎極まりない言葉を投げつける選ばれた人々も散見されます。
しかしその人達を選んだのは我々であることも忘れてはなりません。
周知の事実ですが、長年に渡って原発建設推進を政治主導で強力に推し進めてきたのは自民党です。御用学者、建設に関連する大企業、電力会社を集結し、他の代替エネルギーを排除してきました。この責任をどうとるのか、彼らから全く発言がありません。
少なくとも有権者はこの事実を忘れてはなりません。そして今までの国の運営を彼らに任せてきた責任は、結局は国民にあるということを肝に銘じて欲しいと思うのです。
最後になりますが、亡くなられた方々のご冥福を、心からお祈り申し上げます。