懲りない国民

世の中は「アベノミクス」とか称するまやかしの経済政策に浮かれ、まさにかつてのバブルの様相を呈しています。
あれほど恐ろしい目にあったというのに、そしてようやくまともな方向に進み始めたかと多少期待していたのに、過去と同じように原発依存に逆戻りしようとしています。
あたかも原発立地自治体が、札束でほっぺたを張られると、先を争うようにして嬉々として原発を受け入れるのと似て、借金にまみれた偽金とも言える金が大量に公共事業にばらまかれるとなると、金、金、金の亡者たちが狂喜乱舞して「アベノミクス」を礼賛し、例によって騙されやすく、しかも懲りない我が国民は、わずか2年しか経っていないのに、原発事故のことなどすっかり頭から消え去ってしまったように思えます。
国民から忘れられようとしている福島第一原発が、まるで天からの声のように、我々を戒めるかのように、未だに非常に危険な状態にあることを警告しています。
過去にもありましたが、昨晩から原因不明の停電で、第1、3、4号機の使用済み燃料プールの冷却システムなどが停止してしまったのです。
多くの人が知らされていないのでしょうが、日本各地の原発が停まっているといっても使用済み燃料プールの冷却は必要で、もしこの冷却ができなかったら最悪メルトダウンまで行く可能性があるのです。
しかも燃料プールは開放形ですから原子炉内のメルトダウンよりある意味恐ろしいのです。
先頃、南海トラフ地震の被害想定が220兆円に上ると報道されていましたが、原発による被害想定をどのように考慮しているのでしょうか?金額の問題ではなく、日本に人間が住めなくなる可能性もあるのではないでしょうか?
昔から日本は大地震の被害を何度となく被ってきました。しかし必ず復活復興し今のような繁栄する日本になったのです。それが可能だったのも、当時原発が存在しなかったからです。しかし今はどうでしょうか?
こんな危なっかしい状態なのに国民は作り出された好景気の夢に空騒ぎしています。
安倍首相は、安全が確認されたら原発を再稼働させると平然と言い放っています。しかも調子に乗って増設の可能性にまで言及しています。とにかく原発を昔のようにどんどんと稼働させたいという前のめりの意志が露骨に現れていて、彼の言う安全という言葉は取って付けたようにしか思えません。
福島原発も安全だと言われ続けてきたのでしょう?
未だに綱渡りのような作業を続けている福島原発事故現場を国民の目から逸らし、原発事故の検証すらいい加減なままでの安倍首相の安全という言葉には、全く重みを感じられません。長年自民党が言い続けてきた原発は安全という言葉と全く同じではないでしょうか?