今年に入って安倍政権がらみの疑惑が一挙に噴き出し今まで沈黙していたメディアもここに来てようやく一斉に本来の活動を開始したようです。
安倍政権の印象操作は凄かったですからねぇ。民主党時代を駄目な時代だったと、ことある毎に批判していました。でも欺されてはいけません。民主党政権時代(2009年9月16日から2012年12月26日まで)はリーマンショックの影響を引きずり、それが癒える間もなく東日本大震災、原発事故が直撃した近年希に見る大変な時期だったのです。それにもかかわらずGDPは安倍政権時代よりも高い成長を示し、実質賃金も高かったのです。ああ、そうそう、高校の無償化も民主党が実現したのですが、自民党が思いっきり反対していたのを鮮明に覚えています。
野党が駄目だから安倍政権を支持するという人たちは安倍政権の印象操作に見事にはまった人たちなのです。安倍政権の高支持率はそんな印象操作による消極的な支持に支えられてきたのでしょう。


そこに今回の疑惑が浮上したのです。
テレビでは一番信用できる報道をしていたのがテレビ朝日でした。
「報道ステーション」は良いですね。続いて「羽鳥のモーニングショー」。「ワイドスクランブル」も時々鋭い突っ込みを入れています。
「サンデーモーニング」は一流の方々が一貫して素晴らしい分析を加えてくれます。
後はテレビ東京の「NEWS23」が短いながらも正しい報道をしてくれます。そうそう、やはりテレビ東京の「報道特集」も良いですね。他にも良い番組はあると思うのですが見切れません。
酷かったのはNHKのニュース番組。徹底的に政権に都合の悪そうな場面や話題を避けていました。国会中継の場面では巧みな編集で政権側の主張を前面に出し、野党の追及でしどろもどろになっている答弁はカットされていました。民放と比べると一目瞭然で、その露骨さに呆れました。(6月に入って少し変わってきたようにも見えますがどうでしょうか?⇒6月19日の安倍首相の会見放送とそれ関連のニュースを見ると完全に安倍政権広報局になっていますね。頑張っているのは社会部で、その日に放送されたクローズアップ現代プラスで加計関連の新文書発見をスクープしていました。NHK内部は、岩田明子、島田敏男に代表される安倍政権支援グループである政治部と、国民側に立って真実を追究してくれる社会部に完全に色分けされています。)
後は民放のワイドショー系に酷いものが多かったように思います。特に官邸お抱えの田崎史郎氏やあのレイプ疑惑の山口敬之氏を多用した番組はとんでもない内容でした。あと芸能人には相当悪質な連中が多いように思いました。
新聞では安倍政権がことあるごとに攻撃するだけあって「朝日新聞」がダントツで良いですね。我が家はこれをずっと購読しています。最近では更に非常に真摯な姿勢が清々しい「東京新聞」を追加で購読を始めました。「東京新聞」の権力悪、社会悪を許さないという姿勢は、最近日本のマスメディアではすっかり影を潜めているジャーナリズム精神の根幹を実践していて素晴らしいものがあります。
酷いのは「産経新聞」です。デマでも平気で記事にするトンデモ新聞で、ネトウヨ新聞ではないかと思えるほどです。続いて「読売新聞」。元から自民党系の新聞ですが、安倍政権下では安倍専属新聞となってしまったようです。安倍政権を支援するため、印象操作に全面的に協力しています。最近では国会で物議を醸した安倍首相の改憲インタビューを掲載したり、文科省の内部文書は本物だと証言した前川前事務次官を見当外れのスキャンダル報道によって個人攻撃をしたりと報道機関として顰蹙を買っています。
今回の疑惑は政治と言っても非常に低レベルの疑惑で、時の権力がその権力を私物化しているのではないかという疑惑です。思い入れのある小学校を作るために国有地を異常に安く払い下げたり、多額の補助金を取得させたりしたのではという森友学園疑惑。首相夫人に国家公務員が5人も召使いのように付き従っている事実。首相夫人が関与する事業に予算が付きやすいという疑惑。首相の親友である人物の経営する加計学園に関連する巨大な疑惑。特に一般の政治にあまり関心がない層にも注目されたのが政権擁護に狂奔していた山口氏のレイプ疑惑を官邸が握り潰したという信じられないような疑惑。
こういう話には週刊誌が飛びつきます。未だかつてなかったほど様々な週刊誌で取り上げられるようになりました。驚くのは総合誌だけではなく女性誌にも登場することが多いということです。
週刊誌を購読するとなると大変です。費用が大変なことになるのに加えて雑誌の山に囲まれることになりかねません。そこでdマガジンを契約しました。月々税込みで432円です。それで180誌以上が自由に読めるのです。
「週刊朝日」「サンデー毎日」「週刊文春」「週刊新潮」「AERA」などを始め様々な雑誌が、新聞やテレビで報道されないようなユニークな記事を競っています。
しかしこうして様々なメディアから得られる情報を総合すると、いまだかつてないほど低レベルの不正が我が国のトップによって行われていたことが疑いようのないほど明らかになっていることが分かります。安倍政権はかつてないほどの疑惑のデパートとも言えるでしょう。多分国民の多くもそう感じているのでしょう。
今回の疑惑で非常に特徴的なのは、森友学園関連にせよ、加計学園関連にせよ、適正に処理されたと証明する書類が全て廃棄されたか、のり弁状態にされて一切確認できないことです。要するに疑惑を否定する根拠となる証拠が一切提出されていないという状況なのです。従ってこれは疑惑をかけられた側が疑惑はその通りでしたと認めたのに等しいわけです。
通常の国であればこれで終わりということになるのですが、不思議な国状態になってしまった今の日本では、相変わらず権力に恋々としがみついて離れようとしない政権が居座っています。これも絶対安定多数を安易に現政権に与えてしまった弊害ですね。
こうなると最早最後の審判は国民が下さざるを得ない状況になってきました。
しかし大手のメディアで発表される世論調査は鈍い動きを示しています。まだ安倍政権の印象操作に欺されたままの人が多いということでしょうか?
その一方で、日経クイックVoteでは内閣支持率は20%台に急落し、週刊文春の読者の調査でも20%台でした。
面白いのは日経クイックVoteの次の数値が50%台に急回復。慌てて操作されたことが見え見えです。そういえば森友学園疑惑が持ち上がった時にも日経クイックVoteの内閣支持率が30%台に急落した後また急回復したのでした。
このように世論調査は、特に大手のメディアになるほど信用できません。様々な圧力で操作される可能性が高くなるのです。なにしろ国会の安倍首相の答弁でも分かるように支持率を錦の御旗にして説明責任を免れているのですから。
内閣支持率は生の状態であれば20%は妥当でしょう。本当であれば朴槿恵政権の疑惑よりも更に悪質なのですから支持率が数%になってもおかしくないと思います。今の世の中はフェイクで満ちあふれています。国民は騙されないよう自分の頭で考える習慣を身につけるべきです。
それにつけても不思議な国になりました。
あれほど数多くの証言や証拠、そして説明できない疑惑がありながら居座り続ける政権は今までに例がないのではないでしょうか?