予想通りというか、予想より更に酷い状態で「共謀罪」が強行採決されて成立しました。
緊急事態でもないのに、法務委員会での採決を飛ばしていきなり参議院本会議で強行採決、このようなとことん議論を軽視した国会は戦後初めてのことではないでしょうか?
このような異常な国会の状態は安倍政権になってからずっと続いています。野党の質問に真摯に答えようとせず、相手の質問と関係ない野党批判をしたり、ヤジに長々と反応したり、意味のない言葉の羅列を延々と繰り返したり、自分の主張だけを滔々と捲し立てるだけ。全く討論になっていないのです。
例えば国会で安倍首相が答弁した内容の一部を文字起こしした例を示してみますと
「いわば、私は総理大臣なのでありまして、私が総理大臣である中に於いて、その中に於いてですね、私が総理大臣であることは、事実、であると同時に、大切なことは、この、私が総理大臣であることであって、これは、まさに、私は間違いなく、総理大臣なんだろう、と、このように思う次第でございます」
といった案配で、全く何を言っているか意味不明の答弁ばかりなのです。これが一国の首相の国会答弁なのですからびっくりしますよね。
長いこと生きてきましたが首相がこんな答弁をするなんて想像すらできませんでした。
更に、あらかじめ審議時間を区切って、時間が来たら機械的に強行採決。これでは国会の意味が全くありません。国会は単なるセレモニーの場と化してしまったようです。
この状態は最早議会制民主主義の体をなしていません。独裁国家、専制国家とも言って良い状態です。
この原因は全て、国民が与党に対して衆参両院で2/3以上の絶対安定多数を与えてしまったことです。野党が頼りないから政権を任せられないというのは分かるのですが、ブレーキ役としての野党の役割まで奪ってしまっては、政権の暴走を止めるフェールセーフ機能が全く働かなくなってしまいます。
参議院選挙の前に、NHKが盛んに「ねじれ国会」を連呼していかにも参議院で自公政権が過半数を保持していないことが悪いというような印象操作をしていたのが今でも鮮明に記憶に残っています。このようなメディアによる世論誘導は非常に危険で、国家の暴走につながります。戦前戦中の反省が全くないメディアには強い憤りを覚えます。
このまま日本はどこに行ってしまうのか?
子や孫の将来が心配でなりません。