Black Box

重い内容の本です。
心が押し潰されそうになる一方で、怒りで爆発しそうになります。
こんな理不尽なことが日本で起こっていることを、日本国民の一体何%の人が知っているのでしょう?

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伊藤詩織さん
最初に知ったのは2017年5月18日号の週刊新潮の衝撃的な記事でした。このときはまだ名前は伏せられていました。

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山口敬之氏、元TBS記者が当時仕事を探していた彼女にレイプをしたという疑惑です。
ことの詳細は週刊誌の記事や彼女が執筆した本に譲るとして、相当極悪非道な行為が告発されています。
しかも特に衝撃的だったのは、逮捕状を取り、逮捕寸前までいっていたのに、上層部、しかも本来はあり得ないところから中止の指令が来て逮捕が取り止めになったことです。
その上層部が当時警視庁刑事部長だった中村格氏だったことが分かっていますが、彼は安倍政権下の管官房長官の秘書官として得意の危機管理能力を発揮して絶大な信頼を得ており、官邸を離れても頻繁に連絡を取り合う仲と言われています。
また、北村滋内閣情報官と山口氏が連絡を取り合っていたという疑惑も持ち上がっています。北村氏と中村氏はいずれも警察官僚で、北村氏が中村氏の上司に当たります。北村氏からの指示で中村氏が動いたのかもしれません。いずれにしても警察権力内部の話で明るみに出ることはないでしょう。
その後も週刊新潮がこの事件を追いかけ、5月25日号、6月8日号、6月15日号、7月13日号、10月5日号でこの事件の様々な問題を報道しています。
特に10月5日号に述べられていることは警察権力に対する大きな不信と不安を抱かざるを得ません。
伊藤詩織さんの筆舌に尽くしがたい苦痛苦難の訴えにもかかわらず、2016年7月22日に不起訴処分が密室の中で決定され、更に検察審査会への審理の申し立ての結果も2017年9月21日に不起訴相当という意外な結果に終わっています。これは当然と言えば当然で、起訴すべきであるという立場の専門家、補助弁護士が選任されていないのですから不起訴にすべきという検察官の説明に誘導されてしまうでしょう。酷いものですね。
伊藤詩織さんも本の中で抑えながらも嘆いていますが、司法システムがあまりにも粗雑で真実が通らない世の中になっています。特に弱い立場のものに対する配慮が皆無で日本は野蛮な未開の国といった感想を持ちました。
この問題は単純なレイプ事件ではありません。
「総理」などという所謂提灯本を執筆し、森友学園疑惑がメディアを賑わしていた時に頻繁にワイドショーに出演して平然とデマまで交えて安倍政権を露骨に擁護して権力に食い込んでいた山口氏が、伊藤詩織さんに対する卑劣極まりないレイプ疑惑を官邸に関係の深い警察官僚に握りつぶしてもらっていたという、とてつもない疑惑の事件なのです。
伊藤詩織さんはその後実名で姿まで明らかにし、会見やインタビューに応じて訴えている一方で、山口氏は身内の安倍政権支持団体の雑誌やメディア、SNSで被害者面をして伊藤詩織さんを攻撃しています。先日も伊藤詩織さんと同じ記者会見に招待されたにもかかわらず逃亡しています。伊藤詩織さんの勇気ある毅然とした態度と比較すると、山口氏の態度は下劣で卑怯としか言い様がありません。
それと大手メディアで報道されないのも異常です。森友加計疑惑だけでなく、ここでも行政が歪められていないか国会でも追及されるべきではないでしょうか?
日本は本当に法治国家なのだろうか?
国民がのほほんとしている間に安倍政権下で日本がどんどん異常な国になっていく気配を強く感じる昨今です。
良くまとまった記事としてはここが参考になるでしょう。