この国の国会では安倍政権になって以来、長年にわたり異常な状態が続いています。
虚偽、ごまかし、説明拒否などが横行し、あまりにも常態化してしまったために、国民はこの異常事態を異常と感じなくなってしまったように思います。
特にメディアの対応が一部を除いてあまりにもお粗末で、事の重大性を国民に伝える努力がされるどころか、政権の不正を隠蔽する手助けをしているのではないかと疑われてもおかしくないほどに、腰が引けた姿勢に終始しています。
そんな中、東京新聞の望月衣塑子記者が並み居るベテラン記者の為体を尻目に、まさに記者としての本来あるべき姿勢で政権への疑問点を鋭く追及する勇気ある姿は救いでした。当然孤軍奮闘する彼女に続く記者が続出するかと思いきや、ごく限られた心ある記者が散発的に立ち上がっただけで、多くの大手新聞社の記者たちは沈黙し、当たり障りのない質問というか、政府の説明の補足をするような情けない姿勢は変わるところがありませんでした。
そもそも記者クラブという存在は何なのか?単に政権と飲み食いを共にし、政府に迎合して当たり障りのない説明をさせる手助けをするために存在するメディアの腐敗組織なのか?何とも日本は情けない状況になりつつあります。
米国ではトランプ大統領に果敢に挑み、鋭い質問を投げかけ続けているCNN記者を、多くのメディアが支援しています。いつもはトランプ大統領を支持し、トランプ大統領のお気に入りのあのFOXでさえCNN記者の行動を支持しているのです。日本でいうと産経が望月記者を支持しているようなものですが、ありえないことですよね。日本とは随分違うものですね。米国では報道の使命をしっかりと自覚して記者たちが行動しているのに対して、日本ではまだ大多数のメディアがそれを理解していないし、実行をしていません。日本の民主主義は貸し衣裳を羽織っているに過ぎず、中身は原始社会のようなものなのかもしれません。
そこにこの本です。

多分大部分の国民はほとんど忘れているでしょう。
森友・加計学園問題、アベノミクス、安全保障法制関連の国会答弁で政府がどれほどの虚偽やごまかし、説明拒否を行なってきたかを丹念にチェックしています。
本当にうんざりするほど酷い答弁ばかり。
本来は国の浮沈にかかわり、国民にも直接影響する重大な問題を孕んだ状況を国民に的確に知らせる務めがあるメディアが、まるでなるべく問題がないようにしたいかのように報道を控えてきた結果が今の日本です。
最近では国のデタラメな統計データが問題になっています。
昔、吉田茂がマッカーサーに言った「「日本がきちんと統計をできるなら米国と戦争なんてしていない」という言葉が、今の政権には聞こえていないようです。
都合の良い数値だけ拾い出し、都合の悪いものは採用しない。これが社長の基本的姿勢であったらその会社は必ず倒産するでしょう。伸びる会社であれば良い数値はどうでも良い。悪い所は何処だと改善すべきところを探すでしょう。
良い数値だけを取り出してどうだ凄いだろ!とくだらない個人的な承認欲求を満たしているような組織は必ず崩壊するのです。
今の日本はまさにそんなくだらない政権に支配されているのです。
この本を読んでもう一度日本がどれほど危ない状況にあるのかを感じてもらえたらと思います。