先日アメリカの有力紙ニューヨークタイムズが
「日本は憲法で報道の自由が記された現代的民主国家だ。それでも日本政府はときに独裁政権をほうふつとさせる振る舞いをしている」
と批判しました。
これは菅官房長官の東京新聞記者の質問に対する妨害行為が続いていることに対する民主主義国家のメディアとしての当然の反応でした。
さらに本紙は日本の記者クラブに対しても、権力に迎合した組織として批判的な目を向けています。
すでに日本は国連人権委員会でも問題にされており、特別報告者デービッド・ケイ氏が日本メディアの独立性を危惧する報告書をまとめており、日本政府に提出していますが、日本政府はこれを拒否しています。
権力者の暴走は何も日本に限ったものではなく、世界どこででも起こりうるものですが、欧米先進国では少なくともメディアは非常に健全で権力から独立した毅然とした立ち位置を確保しています。
ある欧米メディアの記者は政府関係者とはコーヒーを一緒に飲むことさえも避けるとまで言っているのです。
一方の我が日本では、記者たちが政府関係者と飲み食いするのは当たり前、メディアの幹部連が定期的に政権中枢と懇談会を開いたり、メディアトップが首相とゴルフに興じたりする有様ですからメディアの独立性なぞ望むべくもないことは明らかでしょう。
そうそう、先日も取り上げましたが「サタデージャーナル」が突然終了になった件はどうやら最近話題の「れいわ新選組」の山本太郎議員の特集を計画したためのようです。
「れいわ新選組」はネット上では大フィーバーしていて街頭演説会は大盛況の山本太郎議員が立ち上げた政治団体ですが、不思議なことに地上波テレビでは全く報道されません。何故なのでしょう。
山本太郎といえば静かに誰にも自慢したりせず黙々と年末の路上生活者や困窮者への炊き出しをしたり、弱者に寄り添う行動をしながら、国会では歯に衣着せぬ鋭い舌鋒で安倍政権を批判することで知られている素晴らしい政治家ですが、安倍政権にとっては非常に煙たい存在です。
普通であればテレビ番組で引っ張りだこになってもおかしくないのに地上波テレビに全く登場しない違和感は半端ではありません。この異常な現象を知っただけでもすでに少なくとも地上波テレビは全てのテレビ局が政府の支配下に置かれたと考えてもおかしくはないでしょう。
そういえば鋭い安倍政権批判で非常に高い評価を得て大評判の映画「新聞記者」の話題も地上波テレビでは全く見られないような気がします。公式サイトにも組織的な攻撃があり一時サーバーがダウンする事態が生じたようです。恐ろしい国になったものですね。そんな中で何も知ろうとしない大多数の国民がぼんやりとテレビを見ている姿は映画「1984」を連想させます。
今や日本のテレビは百害あって一利なしを地で行っている存在になりました。
狂っていますね日本は!