太陽光発電を導入

原発事故が起こって以来、できるだけ電気を使わない生活を心がけてきましたが、もっと積極的に、電力を作り出して少しでも原発依存から抜け出したいと願っていました。
そこで太陽光発電を導入しようと見積もりを依頼して検討していましたが、セキスイハイム特有の陸屋根なので、一般の設置業者では対応できないことが分かりました。
特に千葉県のこの地域は強風域の指定があり、特別に耐久性を高める必要があるため、太陽光パネルの取り付けにかなり費用が上乗せされてしまうようです。
当初提示された見積もりでは、400万円近くになってしまうので全く受け入れられないものでした。しかし粘りに粘って補助金などを差し引けば何とか300万円以下に抑えられるところまでこぎ着けたので導入を決意したわけです。
京セラの197wパネル(KHM197P-3CJ2CE)32枚と、5.5kw出力のパワーコンディショナー(PVN-551B)の組み合わせで、太陽光発電パネルの能力としては最大6.3kwですが、パワーコンディショナーの能力で最大5.5kwに抑えられています。最大値では無駄をしているように思えますが、弱い光でもたくさん発電してくれるわけですから全くの無駄というわけではありません。
工事は10月15日と16日。幸い好天に恵まれて工事は順調に進みました。足場を組まず、「パネルボーイ」というエレベーター式の梯子で太陽光発電パネルなどの荷物を運び上げるだけなので費用の節約と工期の短縮ができます。
パネルの設置は屋根を剥がして補強材を取り付け、更に屋根自体にも補強パネルを要所要所に取り付ける念の入れようで大変でしたが、1日で終了しました。強風に余裕を持って耐えられるように太陽光パネルの傾斜角度は10度です。30度前後の傾斜角が最適と言われていますが、季節や時間トータルで見れば数パーセント程度しか違わないようです。

屋根材を剥がして補強材を設置 パネルボーイでパネルを屋根に上げる
設置された32枚の太陽光発電パネル 強風の影響を低減するため10度の角度で設置

当初は簡単に終わるのかなと思っていた電気工事の方が実際には大変でした。
昼食もとらず働きづめで、朝から薄暗くなる夕方までと翌日の朝から午後2時半頃までかかりました。
最初の日と関電工が売電メーターを取り付けに来た翌日の2回停電しました。最初の日の停電が30分以上、翌日の停電は15分ほどでした。更に翌々日の17日に最終的な東京電力の検査があり、1分弱ほど停電しました。

太陽光パネルからの電力線を屋内に引き込む 左が売電メーター、右が買電メーター
右からパワコン、ブレーカー、配電盤 モニター用送信機

発電開始は16日午後2時半頃からでした。ワイヤレスのモニター(PMD47C)で発電量や消費電力などを確認できます。どこにでも設置できるのでなかなか便利です。シャープだと据え置き型のモニターになるようですね。
日中メーターを見に行くと、写真左側の売電メーターは勢いよくぐるぐる回っていましたが、右側の買電モニターは微動だにしませんでした。電力を自給自足している充実感を感じられる瞬間でした。
パワーコンディショナーはシャープだと屋外設置ですが、京セラの場合は屋内です。我が家は配電盤の隣に設置しました。それなりの騒音がするのかなと覚悟していましたが全然気になりませんね。もっとも太陽が沈む夜間には自動で停止するようで、存在を忘れるほどです。日が昇って発電を開始すれば自動で動き始めます。
10月は太陽高度が低くなり日照時間も短くなり始めているので太陽光発電量はそれほど期待できません。
それでも比較的晴天の続いた10月19日で一日の総発電量は27kwhでした。ピークの発電量もパワーコンディショナーの限界の5.5kwを記録しました。曇りがちで一時雨が降った18日の総発電量は11kwhでした。

モニター表示(現在値) モニター表示(一日分のグラフ表示)

当然のことながら太陽光発電は変動が大きいですね。早く効率の良いバッテリーが実用化されないものでしょうかね。それと赤外線領域まで発電に使える太陽光パネルの研究が進んでいるようですが期待したいですね。そうすれば曇りや雨の時はもちろん、夜間でも発電できる太陽光発電も夢ではないかもしれません。
原発や核燃料サイクルなどには惜しげもなく税金をつぎ込むのに、次世代のイノベーションの可能性に何の投資もしてこなかった日本には危機感を持ちます。今までの常識や権益に囚われていたら日本はどんどん後進国になってしまいますよ。何につけ多様性は非常に大切です。
それと脱原発は夢想だと決めつけた偉い方がいらっしゃいましたが、現在があるのは夢想家がいたからです。現状維持だけを考えていたら全く進歩はないのですから。
ちょっと気になることがあったので追記しておきます。太陽光発電のモニター表示を見ていて気付いたのですが、日が陰って発電量が急に減少する時に消費電力が急激に上昇します。今まで0.4kw程度だったのに一挙に1.6kwまで行くことがあります。逆に雲がとれて急に日が差し始めて発電量が上昇すると消費電力が0近くになります。まるで微分のような振る舞いです。結局はプラスマイナス差し引きゼロといった感じですが、パワーコンディショナーの特性なのでしょうか?