寝室での読書とビデオ観賞用に購入した Nexus 10 でしたが、Wi-Fi周りのパフォーマンスの悪さに些か嫌気がさして先日既に手放してしまいました。NASからのフルHDの動画再生でしばしば止まってしまうという現象が起きていたのです。
以前にも話題にしましたが、2.4GHz帯のWi-FiではBluetoothが干渉するようで、Bluetoothのイヤフォンを使用するためにWi-Fiは5GHz帯を使用していたのですが、どうやら完全解決には至らなかったようです。
そこで代わりになるタブレットを探していたところ、読書とビデオ鑑賞に最適化されていると思われる Kindle Fire シリーズが目にとまりました。
Kindle Fire シリーズは、Androidベースとはいえ独自のOSを採用し、Google Playで配布されているような一般的なAndroid用アプリケーションとは完全には互換性が保証されていません。基本的にはAmazonで販売されている電子ブックやビデオ、音楽などのコンテンツを再生するためのプレーヤーという位置づけなのです。
しかし色々と調べてみると、少なくとも今までのKindle Fire シリーズは、NASにあるPDFやビデオファイルの再生もできるようなので、今回新しく発売になるKindle Fire シリーズがどうなのかは未知数ながらも思い切って購入することにしました。
NASからのストリーム再生がメインなのでタブレットの記憶容量は最小の16GBを、また、画面はなるべく大きいものをということで、Kindle Fire HDX 8.9 を選択しました。しかし今回の新しい Kindle Fire は非常に高価です。最小の16GBモデルでも39,800円。まあスペックを見ると当然なのかもしれません。多分現時点で最高のスペックなのではないでしょうか?
ということで、昨日、予約していた Kindle Fire HDX 8.9 が宅急便で届きました。
中身はこんな具合です。
ACアダプターは5V 1.8A出力です。iPadのものよりも容量は小さいですね。
本体の裏側はこんな感じ。ラバーのような感触で非常に手触りが良いです。しかし事前のレビューなどを読んで知ってはいたものの、改めて本体の薄さと重さには驚きました。特に重さは7インチクラスのタブレットとほとんど同じように感じられます。
この手のデバイスには非常に珍しいことに電源ボタンは裏側にあります。それを押して起動させると、まず言語を選択する画面になります。
日本語を選んで次に進むと既に自分の名前で登録されており、それを確認してWiFiの設定をすれば動き始めます。
画面はきれいですねぇ。まさに一級品です。周囲を真っ暗にして全画面黒表示のような状態では周辺からの光漏れがわずかにありますが、この評価はやや過剰すぎますね。とにかく iPad Retina に比肩しうる画質だと思います。
さて当初の目的のNASからの再生ですが、ESファイルエクスプローラーはアマゾンのアプリストアにあったので早速ダウンロードしてインストールしました。
ESファイルエクスプローラーにNASを登録してアクセスして動画や写真、PDFファイル等を再生できることを確認しました。しかしアマゾンのアプリストアには動画再生や自炊のPDFファイル閲覧の定番アプリであるMX動画プレーヤーやCommitoNがありませんでした。
そこで、保証はされていませんが、他のAndroid端末からインストール済みのアプリのapkファイルを持ってきて Kindle Fire HDX 8.9 にインストールすることにしました。
まずはアマゾンのアプリストアにないアプリのインストールを許可するために、Kindle Fire HDX 8.9 の設定からアプリケーションメニューに入って不明ソースからのアプリの利用をオンにします。
apkファイルの受け渡しにはDropboxが便利です。
そこでまず Kindle Fire HDX 8.9 にDropboxをインストールすることから始めなければなりません。
Dropboxも標準のアプリストアには提供されていないので、Kindle専用のWEBブラウザ、Silkで直接Dropboxのサイトに行き、Kindle Fire用のページでapkファイルをダウンロードします。DropboxのapkファイルはKindle Fire のdownloadフォルダーにダウンロードされているので、ESファイルエクスプローラーでそのファイルを見つけてタップすればインストールができ、DropboxがKindle Fire でも使えるようになります。
Kindle Fire HDX 8.9 側の準備ができたので、それにインストールしたいアプリが既にインストールされているAndroid端末を準備します。私の場合は Nexus 7 があったのでそれを使いました。
Nexus 7 のESファイルエクスプローラーでメニューからアプリマネージャを選択。Kindle Fire HDX 8.9 にインストールしたいアプリのアイコンを長押し。そうすると下側に表示されるメニューが変わるのと同時にアイコンにチェックボックスが現れるので必要なアプリのアイコンにチェックを入れます。そして下のメニューのバックアップをタップ。
これでESファイルエクスプローラーのローカルにあるbackupsフォルダーの中に先ほど選択してバックアップしたアプリのapkファイルがコピーされているのが分かります。ここで再びアプリアイコンを長押ししてDropboxにコピーしたいアプリを選択します。そして下側の縦に小さな四角が3つ並んだ「他」と書かれたメニューアイコンをタップしてメニューを出し、共有をタップします。
そうするとリストの中にDropboxに追加の項目があるのでそれを選ぶとDropboxに選択したアプリのapkファイルがコピーされます。
これで全ての準備が終わりました。後はKindle Fire HDX 8.9 を起動してDropboxを開き、先ほどコピーしたapkファイルを見つけてタップしインストールするだけです。
ご覧のように見事に「朝日新聞」、「MX動画プレーヤー」、「CommitoN」が Kindle Fire HDX 8.9 にインストールされたことが分かります。
動画もフルHDでもNASから滑らかにストリーム再生され、自炊したPDFファイルも実にくっきりと細かい文字まで表示されました。バッテリーの持ちも満足のいくもので、iPadと同じような感じです。今思うと Nexus 10 のバッテリーの持ちは非常に悪かったですね。
ある程度は期待していましたが遙かに期待を超えてくれました。
いち早く発売された米国でもレビューで絶賛されていましたが、本当でした。中途半端なAndroidタブレットを購入するよりも Kindle Fire HDX 8.9 の方が遙かにコストパフォーマンスが良いと思います。
但し、標準アプリ以外は必ずしも全て動作することは保証されていないことを承知の上であれば、、、
当初ESエクスプローラーとMX動画プレーヤーでビデオを楽しんでいましたが、どうも具合が悪く、時々止まってMX動画プレーヤーが落ちるようになりました。やはりDNLAクライアントソフトを介して再生させないと無理があるようです。今はMediaHouseのUPnP/DLNA対応ブラウザを使用していますが非常に快適です。