改めて見る安倍政権のおぞましさ


安倍政権が予算委員会の審議から逃げ続けて半年くらい経ったでしょうか、久しぶりに開かれた国会の中継を見て驚きました。
酷いのなんの、安倍政権の閣僚、あるいは関係省庁の官僚の答弁の不誠実さには呆れるどころか怒りさえ感じました。特に問題なのはこのような状況がテレビではほとんど放送されないことです。
特に視聴者が多いNHKでは完全にスルーされています。NHKの放送を見ている限り日本は安泰としか思えないでしょう。政権のコントロール下にあることが歴然としています。国民の9割以上はこの状況に気がつかないでしょうね。国会中継を見ている人しか気付きません。今の日本で国会中継を見る人は国民の何パーセントでしょう?ほとんどの人がテレビのニュースでしか状況を入手していないでしょうから。

特に安倍首相の本性が現れたのが11月8日の参議院予算委員会での審議でした。
立憲民主党の杉尾議員が安倍首相による各メディアに対する言論抑圧の事実を正していた時に安倍首相がいつもしていることですが席に座ったまま議員を指差しして「共産党!」とヤジを発したのです。歴代首相でこんな醜態を演じた人物は彼しかいません。ネトウヨと同等の言動です。およそ総理大臣としての資質の有無以前の問題で論外の人物です。

さらに共産党田村智子さんの首相主催の「桜を見る会」の追求は圧巻でした。
もともと安倍政権下での「桜を見る会」には疑惑がつきまとっていました。その疑惑が疑惑ではなく、とんでもない大問題であることが明らかにされたのです。
とにかく百聞は一見に如かず、その審議の様子をご覧ください。こんな状況であったのかと初めて知る人たちが大多数でしょう。そして今の日本の自民党政治に危機感を抱くのではないでしょうか?

これほど重大なことが今や日本の報道ではほとんど無視され、ラグビーだ、マラソンだ、天皇皇后のパレードだで占められています。
お隣の韓国の法務大臣の疑惑については、「タマネギ男」と称して延々とあらゆる放送局で微に入り細を穿って執拗に報道していましたが、国内の法務大臣や経済産業大臣などの大問題に関してはほとんどスルー。
物凄い偏りです。まさに異常な事態です。日本の報道はどうなってしまったのでしょうか?そういえば最近新聞でもスクープが影を潜めているようですね。各社横並びでしょうか?
そして森友疑惑から始まる安倍政権の様々な疑惑、ほとんど決定的な疑惑に対して今の日本では検察は全く動きません。
要するに不正を正す公的機関が今や日本には存在しないのです。
ですから安倍政権側であれば、今や公文書を改ざんしようが廃棄しようが、贈収賄であろうが公職選挙法違反であろうが、レイプ疑惑であろうが一切起訴をされないのです。

それらは報道で追求すらされません。今や日本の報道は政権によって完全にコントロールされてしまっているのです。恐ろしい国になったものです。
日本国民は昔から非常に飼い慣らされやすい民族として知られています。滅私奉公を美徳とすること自体が、この国の原始性を表しています。要するに個が全く確立せず、周囲と同化しようとする傾向が顕著です。メディアで騒げばみんな同じ方向を向きます。自分で独自に考えたり調べたりしません。今回の嫌韓騒動が良い例でしょう。
極端になれば関東大震災時の朝鮮人虐殺事件のようなことも簡単に起こしてしまいます。

自ら考えて行動することができない国民性は民主主義から最も遠いところにあります。そして権力者、独裁者にとって最も好ましい国民性であるともいえるでしょう。

これもメディアで伝えられることはほとんどありませんが、今や日本はとても先進国とは言えないレベルにまで没落しています。アベノミクスなどというまやかしで7年も時を浪費してきたツケは甚大です。軌道修正してももはや取り戻すことができないかもしれません。まともな政権を復活させ国民が辛抱強くサポートしなければ、この国は世界の片隅の貧しい島国になってしまうかもしれません。

権力の監視を怠り長期間放置するとどうなるかの非常に良い例が今日本の様々なところで多発している腐敗です。
公的な不正を正す力が失われた状態では、今や唯一国政選挙での国民の投票だけが状況を変えることができる方法です。こんな目を覆いたくなるような惨状の日本を作ったのはまぎれもない国民の怠慢、不作為が原因です。今国民の一人一人が自覚と責任感を持って政治と向き合うべき時なのです。