私たちが政治に参加するのは選挙に行く時くらいと考えている方がほとんどだと思います。
そしてその選挙で選ばれた議員たちが国民に代わって日本という国を運営してくれる。
でもその議員たちを全面的に信じて、後はお任せでいいと言えるでしょうか?
例えば家を建てる時に住宅メーカーに建設を依頼しますが、家が建つまで皆さんはその住宅メーカーに任せっきりにできますか?
きっと様々な段階で家が注文通りに作られているか確認すると思います。
そうでなければ仕様が違っていたり、最悪の場合手抜き工事をされるかもしれません。
政治も全く同じで、選挙で選んだ議員が本当に正しく仕事をしているかチェックしなければ、とんでもないことをしでかす可能性もあるのです。
特に小選挙区制が導入されて以来、小さな政党は消滅の危機に瀕し、無関心層が増加する中、組織票に支えられた自民党、公明党が衆参両院で2/3の絶対安定多数を占めるまでになりました。このような状況では自公与党が全ての法案を可決することが可能となり、実質中国や北朝鮮と同じような一党独裁体制に近い状態が民主主義国家を標榜する日本に出現してしまいました。
このような状況下で最も大切なのは国民が政治を監視する姿勢です。
独裁的力を持った政党がどのような政治をするかをきちんと監視していないと、日本は本当にとんでもない方向に向かってしまうことになります。
今の与党が本当に民主主義国家としての日本のあるべき道を進んでいるのか?それとも別の方向を目指しているのか?
私から見ると国民は全く無関心でいるように見えます。
きっとここ最近強行採決などの強引な方法で採決された安保法案や特定秘密保護法などの内容を知っている国民はほとんどいないでしょう。そして更に今まさに国会に提出された「共謀罪」法案をどれだけ知っているのでしょうか?
大部分の国民は自分には関係ないことと全くの無関心を決め込んでいるのだと思います。
これらの何気ない難しそうな法案は実は国民一人一人の人生にまで影響を及ぼしかねない重大な法案なのです。
そして何よりも大切なのが今日本を動かしている力がどこに向かっているのかをきちんと知ることです。
国民の多くは自分の懐に直接関係するような経済ばかりに関心を向けますが、それよりももっと大切な国そのものの体制が変えられようとしていることに気付くべきです。
現在の日本で最大の勢力を持っている自民党がどのような考えを持った政党であるかを知ることは国民の当然の責任です。
ところで皆さんは自民党がどのような国を目指しているかご存じですか?
それを知るには自民党の憲法改正草案を見るのが一番の近道でしょう。
世の中では第9条が話題になるようですが、それはあまり大きな問題ではないと思っています。
私が心底恐ろしいと感じたのは基本的人権を高らかに歌い上げた第97条の削除です。
そしてその草案に貫かれている思想は、個人は国家に尽くすべきであり、基本的人権、国民主権は存在しないということです。
要するに民主主義の放棄を規定しているのです。
更に問題なのが94条の改定、女性の権利の否定です。これも近代民主主義を根底から覆すものです。
これこそが日本会議がもっとも力を入れていることかもしれません。
民主主義の下に選ばれた政党が民主主義を否定する。
何かおかしくありませんか?
有権者を欺しているとしか思えません。
このような思想を持った勢力が今日本を実質的に独裁的に動かしているわけです。
恐ろしく思いませんか?
私は恐ろしくてたまりません。
それから現役閣僚の大部分が「日本会議」に所属していることを国民はじっくり考えてみる必要があると思います。「日本会議」がどういう思想を持ち、どういう方向に行動しているかを知ることは、今の日本の方向を知る一助になるのではないでしょうか?
現実に様々な怪しい出来事が日常的に起こっています。
ワイドーショーを賑わす「森友学園」疑惑。
教育勅語を暗唱させたり、軍隊的な躾をしたり、政治的に偏向したことを教えたり、ヘイト的言動をしたり、補助金がらみの様々な不正を働いたりと数え切れないほどの問題を持った学園が、多くの与党政治家や文化人に大絶賛され支援を受けていたことは恐ろしいことです。籠池氏が「日本会議」に属していたことも注目しなければならない重要な点です。
不正が暴かれそうになった途端、今まで支援していた政治家や文化人は蜘蛛の子を散らすように逃げ、森友学園だけに全ての責任を転嫁する姿は醜悪の一言です。
大阪の市議が土地取引の疑惑を告発しなかったらこの森友学園が経営する異様な小学校が何の問題もなく開校していたことでしょう。どうしてそこまで簡単にことが進んでしまったのか?恐ろしい世の中になりつつあることを感じずにはいられません。
更に多くの疑惑が全国に存在することも既に分かっており、日本にまだ正義が存在するのであればやがて世間の目に触れることも遠くはないと思います。
また、国の隠蔽体質が極まっていることも問題です。国の安全保障の重大な脅威とも思われる防衛省の日報の隠蔽が明らかになったのに続いて、財務官僚たちが揃いも揃って「森友学園」関連の書類だけ廃棄したと平然と言い放っているのです。これは完全な国民に対する背信行為で、本来自分たちの仕事の正当性を主張するための証拠として存在する公文書を自ら廃棄するということは不正を行ったと自供するに等しいことです。
最近では文科省が「教育勅語」を教材として使用することを否定するものではないという判断を示したと報道されました。一瞬何が何だか分かりませんでした。それほど驚愕の報道です。これは民主主義を標榜する日本にとってとんでもないことで、教育基本法に違反することです。
「教育勅語」は躾を主体とする内容ではなく、国民が天皇を頂点とする国に命を捧げるよう説いたもので、現在の民主主義を真っ向から否定するものです。これを国が認めると言うことは、国は民主主義を否定していることと同じなのです。
また今日になってとんでもない報道が飛び込んできました。
中学の体育に「銃剣道」を取り入れるというのです。
「銃剣」の技術は、旧日本軍や諸外国では、戦場において人間を殺害するための技術、戦闘技術の一つとして訓練に取り入れられているもので、軍隊にしか必要のないものです。それを何故中学校の生徒に教えなければならないのか?
そしてもっとも衝撃的だったのは、日本が、世界で唯一の被爆国である日本が、核兵器禁止条約交渉に参加しないことを国連で表明したことでした。世界は驚きに包まれたようでした。私は恥ずかしさで外国の方を見たら隠れたくなるほどでした。広島や長崎で安倍首相が演説したのは単なるパフォーマンスであることが明らかになりました。日本は世界から奇異の目で見られていると思います。まさに異常な日本が姿を現しつつあると思います。
次々に起こる異様な出来事。
みんなどう思っているのでしょう?
みんなが知らないうちに日本がとんでもない方向に行ってしまい、あの戦争の時に経験したように後戻りできなくなっているかもしれません。
動物には鋭い五感が備わっており、いち早く危険を察知して回避する力があります。
人間は五感はそれほど優れていませんが、他の動物にはない優れた知能があります。周りで起こる様々な出来事を分析することによっていち早く危険を察知する能力は動物以上かもしれません。しかしその能力を使わずに身に降りかかってから対処するのではもう手遅れです。それは既に大きな悲劇として経験済みのはずなのですが、、、
考えてみれば日本の民主主義は、欧米のように国民の側から自主的に求めて確立したわけではなく、敗戦によってアメリカによって与えられたものです。棚からぼた餅という感じでしょうか?もっと皮肉に言えば、猫に小判かもしれません。
従って国民に民主主義の本来の意味や意義が十分に認識されているとは言いがたい現実があります。そして教育でも民主主義をきちんと教えていないように思います。
欧米に比べて著しく民度が低い原因の一つでもあると思います。
選挙で議員を選んだらそれっきりでは民主主義が機能しているとは言えません。
国民は常に政治に関心を持ち政治をチェックする必要があると思うのですが、、、