あまりにも酷いことが次々に起こるのでまた書いてしまいました。
以前からしばしば感じていたことですが、政府が度々口にする「国民の生命、財産、幸せな生活をお守りする」といった類いの言葉に違和感がありました。何か空々しく感じたものでした。
そして最近そのことにとても納得する出来事が矢継ぎ早に起きました。
そう、「森友学園」騒動です。
今までの経過で浮かび上がってきたのはどうやら単純な悪者、籠池氏が、お国のためと称して異様な保育園、幼稚園、小学校を作ろうと長年にわたって行動していた事実。それはフリーのライターが大分以前から調査して、講演会や雑誌などで警告を発していたものでした。しかしこれほど異様な教育が行われているのにもかかわらず大手のメディアはこれを伝えることはありませんでした。
それどころか政府も含めてあらゆる右寄りの勢力が支援していたことも明らかになりました。
今年になって土地取引の異常さに気付いた一人の大阪市議が調査し問題を指摘したことを発端としてようやく世間の注目を集めるようになったのです。
一度問題が明らかになるや、今まで総掛かりで応援していた勢力は一挙に攻撃側に転じました。問題の凄さは国を始めとするあらゆる勢力が総掛かりで一個人である籠池氏を攻撃していることにあります。
そしてその巻き添えになった非常にかわいそうな個人もいます。
総理首相夫人付としてほぼ年中無休、昼夜を問わず3年間、一生懸命働き続けていた谷査恵子さんです。
籠池氏と総理夫人昭恵さんとの間に立ったFAXのやり取りが発覚した途端、これは全て谷さんが個人で勝手にしたことだと政府から押しつけられ、しかもその後行方知れず。弁明の機会さえ与えられていません。最近、経産省官僚OBの方があまりの理不尽さに声を上げられたのは皆さんご存じでしょう。
この一連の出来事を見ても、今まで一生懸命お国のために尽くしていた個人が、結局はそのお国が危なくなってくると途端に切り捨てられるという現実です。
そして更に決定的だったのが、昨日の今村雅弘復興相の原発事故自主避難者に対する自己責任発言でした。
事故を起こしたのは誰なのか?安全安心で対策しなくても全電源停止は起こりえないと断言し、積極的に原発を推進し、現在も推進し続けているのは?そうした国が事故の全責任を取るのは当たり前のことでしょう。
自主避難者は好きで避難しているわけではありません。いくら安全だと政府がいっても事故以前より高い放射能レベルの場所に帰れないのは当たり前のことです。職を奪われた人も多いのです。それほど安全だというのであれば、ご自分がその避難者の代わりにそこに住んでいただきたい。政府がこれまた度々口にしてきた「被災者に寄り添う」ということがこれだったのかと、平然と嘘をつく態度には恐ろしさを感じます。
このように政府のやることが如何に国民を軽視したものであるかよく分かります。
これらの事実から読み取れることは、現政権は、改憲草案でも明らかなように、個々人の基本的人権を守るのではなく、個々人は国のために尽くすべきだという民主主義の否定を既に実践しているのだということです。それは「教育勅語」に対する異常な執着からも容易に分かることでしょう。またここではっきりしたことは、現政権のいうところの国とは、結局のところ支配層である彼らと同義であるということなのです。
少なくとも現政府が守っているのは国民ではなく自分自身の権力であることは明らかです。