自分を含めてほとんどの人は今までに一度は嘘をついたことがあると思います。
なぜ嘘をつくのだろうといろいろ考えてみました。
自分の経験から言うと、子供の時に、どうしても言い訳できない状況に追い込まれてそれから逃れるために咄嗟に嘘をついてしまったと言う記憶があります。
これは誰にでもありそうですね。
一方で、金銭目的で相手を意図的に騙して嘘をつく犯罪行為があります。
これは咄嗟に出る嘘とは全く性格が異なっていて計画的です。
いわゆる詐欺ですね。
これらとはいささか趣が異なる嘘があります。
嘘を頻繁につく人の場合です。
いわゆる虚言癖のある人ですね。
考えるに、虚言癖は幼少期から培われた特性の一つだと思われますが、非常に特殊な環境と個人の性格が相まって形成されるものだと思われます。
一種の防衛本能のなせる技なのではないでしょうか?
例えば、祖先親戚兄弟が非常に優秀で裕福な家庭に、能力が通常に比べて著しく低い子供が生まれた場合、その子供はどんな思いを抱きながら成長するでしょう。それはその子供の性格によって大きく異なっているでしょう。
多くの場合自分の能力に見合った人生を歩むでしょう。経済的に困ることはないのでそれなりに幸せに。中には努力して通常の能力の人に負けないスキルを身につける人もいるかもしれません。それは素晴らしいことです。
でも稀に、努力するのが嫌いで何もせず、ただ自分は優秀なはずだという勝手な思い込みと現実との大きな乖離から非常なコンプレックスを抱え込み、自分より優秀な人に嫉妬心や敵愾心を持つ人物が現れるかもしれません。
そのような人物の拠り所は自分の属する優秀な血統です。それに対して異常なプライドを持っているのです。
そうするとどうなるでしょう?
現実には能力が著しく劣っているのですから正々堂々の競争で勝てるはずがありません。勝つためには現実を否定して嘘をつくしか方法はないのです。自分に都合の良い虚構の世界を作るしか生きて行けないのです。
この虚構は彼にとっては生きるための砦です。この虚構を非難されれば死に物狂いで反撃して守ろうとするでしょう。だから彼は絶対に嘘を認めず嘘をつき続けるのです。嘘を認めたら最後、彼は生きていく支えを失ってしまうのですから。
この虚言癖は間違いなく精神疾患であり、まさに不治の病といっても良いかもしれません。その人の長い人生で着々と形成されてきた硬い甲羅のような分厚い性格なのです。
虚言癖についてインターネットで調べてみました。
驚いたことに私とほとんど同じ考えの人がいるのですね。
その方は虚言癖の原因として以下の5項目を挙げていました。
1.プライドが高く、虚栄心を満たしたい
2.劣等感が強く、自信がない
3.努力ができない
4.隠したいことがある
5.周りに構ってほしい
それぞれの項目の説明はこちらのサイトを参考になさって下さい。きっと合点が行くと思います。
ところで虚言癖は今日本の政治の世界で非常に深刻な問題になっています。
一般の立場の人が日常生活でつく軽い嘘であれば周囲に重大な影響を与えることはありませんが、これが国レベルでの嘘となると話は違います。国民全体の命運を左右する大変な影響を与えることになります。
今までの虚言癖の説明からすればこの嘘を正そうとしてもほとんど効果はなく、逆にますます興奮させ攻撃的にさせるだけでしょう。正しく対処するには国民が嘘であることをしっかりと認識し、その嘘の元となる人達を権力から遠ざけるしかありません。それができるのは国民しかいないのです。
日本はかつて国中が嘘に絡め取られ、客観的に見ればありえない戦争をして滅亡の瀬戸際に立たされた歴史があります。
一度あることは二度あると言われる通り、今日本は本当に非常に危険な瀬戸際に立っていることを知るべきではないでしょうか?