歳をとると、残された時間を惜しむからなのか、ロマンチックな感情より合理的な感情が優勢になってくるようだ。

以前は草花に囲まれる環境で過ごすことが、何よりも癒されて貴重に思われていたものだが、ここ何年かの間に「花より団子」の傾向が強くなってきたのである。
庭木であったコニファーや百日紅を処分して、その後に柿やみかん、金柑などの果樹を植えた。まさに「団子」そのものである。しかもそれだけにとどまらず、今年の秋になって鉢植えでの家庭菜園にも手を広げたのである。

まあ家庭菜園をやり始めた動機は、単純に、安全な野菜を食べたいからではある。果樹は私が担当しているが、野菜は妻の担当である。

小松菜、サニーレタス、野菜ミックス、白菜、さやえんどう等々、夏にはナスやミニトマトも作っていた。家庭菜園をやり始めてからは、味噌汁の具材が豊富になり、サラダが実に新鮮で美味しく良いことづくめ。それに何より農薬の心配が全くないというのが嬉しい。

庭に畑をつくらず鉢植えで栽培するメリットは、今まで丹精込めて作り上げた庭の景観を損なうことなくそのまま楽しめるということだ。畑と混在してしまったらさぞや興醒めな風景になることだろう。

今は秋から冬に向かう季節。病害虫が少ない時期なので管理は容易だが、春から夏にかけての栽培はこんなに楽ではないだろう。

まあそれほど真剣になることもない。難しければその期間だけはお休みして市販の有機野菜を購入すれば良いだけの話だ。家庭菜園で生計を立てるわけではないのだから気楽に行こう。