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最近は素人集団による凶悪な強盗事件が多発するようになった。昔は情報の伝達が非常に狭い範囲に限られ、犯罪も組織だったものではない慎重な、所謂プロの単独犯が主流だった。
ところがSNSが行き渡った現在では、全国から金欲しさに釣られた不特定多数の素人が、逮捕されるのは自明の無茶苦茶な方法の犯行を犯罪組織から指示されて、消耗品の如く凶悪な犯行に及ぶという、実に愚かなことが頻発するようになってしまったのだ。

なんだか日本国民全体の意識レベルが劣化しているような気がしてならない。それが安倍政権以来続く政治状況の著しい劣化とも重なり合っているように見えてしまう。

とは言え、劣化した国に頼るわけにいかないとしたら個人レベルで防衛しなければならない。かと言って、まるで新しい戦前を始めようとでもしているかのような我が国のように、敵基地攻撃能力のような物騒なものを安易に備えるわけにはいかない。しっかり監視し、事前に犯罪を阻止できるようにするのが理想だ。

そこで登場するのが防犯カメラである。

従来は防犯カメラを設置してあるだけでそれなりの犯罪抑止効果が期待できた。それは犯罪者が主にプロだったからである。しかし昨今では冒頭に述べたように素人集団ががむしゃらに犯行に及ぶ例が増加している。
それに対応するには犯罪者が侵入を図る瞬間をいち早く察知する必要がある。
具体的には犯罪者が敷地内に侵入したことを即座に伝え、直ちに110番通報ができるシステムを構築する必要がある。

我が家では既に2016年春に、米国のアマゾンから購入したHIKVISION製防犯カメラ、DS-2CD2142FWD-I とDS-2CD2042WD-I を玄関と車庫近くに設置し、24時間連続でNASに記録するシステムを構築していた。その後更に2台を追加して、家の周り全てを監視できる体制で最近まで運用してきた。

PoE対応のカメラだったために配線はLANケーブルだけで済み、私一人で比較的簡単に設置できた。PoEハブさえ準備すれば、そこからLANケーブルをカメラまで配線するだけで事足りる。私が選んだのはPoEポートを4個持つ、NETGEAR GS305Pである。


しかし大きな問題点もあった。人間の動きを検知する機能があまりにも貧弱だったのである。
人間だけではなく、草木の葉の動き、雲間から漏れる日差しの変化、車の動きやライトの点滅、影、雨や雪、ありとあらゆるものに反応してしまうのである。

これでは検知の通知を受け取っても全く信用できない。ただただ頻繁な意味のない通知に煩わされるだけで防犯には一切役に立たず、単に犯行が行われた後の記録を残すだけに過ぎない。防犯という目的には全く適わない代物であった。

そこで今年3月になって真の防犯システムにリプレイスしようと構築に取り掛かったのが今回の防犯カメラシステムである。

前回の反省から重視したのは人の動きを的確に捉える識別能力。
人以外の余分な動きに反応しない、要するに誤検出を極力なくした検出性能である。

最近の防犯カメラでは、流行りのAI学習による動体検知能力の向上が謳われているものが多く、本物の性能を持ったものを選び出すのは結構大変である。

インターネットから拾ったさまざまな感想や評価を慎重に比較検討した結果、リーゾナブルな価格で入手可能なReolink社の防犯カメラを試してみることにした。たとえ失敗しても安価なのでそれほどダメージは大きくならない。これくらいは新しいことに挑戦する時の勉強代と納得できる。

この会社のカメラを使用するのは初めてだったのでどれを選んだら良いのか分からないが、最低限、防水防塵がIPC66以上で画素数は4Mピクセル以上、PoE対応であれば良い。赤外線による夜間撮影に対応していることも当然だ。それにSynology NASへの24時間録画のためにはONVIF対応であることも必要だ。

そこでRLC-510A、RLC-810A、RLC-811Aの3種類を選んだ。これらの機種はいずれも上記に列挙した条件をクリアしているし、更に録音機能や双方向通信、センサーライト、サイレンまで備えた機種もある。

これらのカメラを取り敢えず今までのHIKVISIONと取り替えた。

設定は簡単。スマートフォンにReolinkのアプリをインストールしてそこから初期化すればホームネットワーク内のWiFi接続であれば、ルーターの設定に応じてDHCPにより自動でIPアドレスが割り当てられる。そのIPアドレスはスマートフォンのReolinkアプリのデバイス情報 > ネットワークから容易に知ることができる。
Reolinkアプリではライブビューはもちろんのこと、動体検知やそれに伴うプッシュ通知、メール通知の設定など様々なことができる。検知の設定も実に細やかで、人、車、ペットの区別や検知しない領域の設定などもできて無駄な検知を極力排除できるようになっている。

我が家の場合には敷地内の人の侵入を検知したいので検出対象を人に限定し、検出領域も敷地内に制限した。
その状態で何日か様子を見たところ誤検出は一件もなかった。今までのHIKVISIONのシステムとは雲泥の差である。これだったら十分実用になる。

仮設置の状態であったものをきっちりと設置し直して本格的に運用を開始した。そしてNASへの24時間連続記録の設定を行った。
マニュアルなどに特に説明はないのだが、実はそのためにはもう一手間必要だ。PCにReolinkのクライアントアプリをインストールしてそこからネットワークのポート設定でONVIFを有効にしなければならない。これに気付けない人が多いのではないだろうか?


丁寧な取扱説明書があれば良いのだが昨今の製品では不親切なものが主流のように思う。
いずれにしてもこれでSynology NASのカメラ登録ができ、連続記録が可能になった。連続記録以外にも、検知後の短い動画の記録もNASの任意のフォルダーに記録できるようになっている。


今の所なかなか快適かつ快調だ。
後はHIKVISIONのように耐久性が優秀であってくれれば良いのだが。



追記
結局のべ6台を購入したが、次々に接続不能になり、最終的に1台しか残らなかった。ほとんどが一週間以内に壊れ、長くても二週間が精一杯という状態だった。これほど故障率の高い市販品に遭遇したのは生まれて初めての経験だ。
安さには理由がある。消費者も虫の良い要求はしないことだ。良いものにはそれ相応の対価を支払う意識を持たないと、世の中には劣悪な商品が溢れてしまう。特に食品には注意すべきだろう。何しろ健康に直接関わるものなのだから。