高騰する電気料金

  • 投稿者:
  • 投稿カテゴリー:生活

ウクライナ戦争とアベノミクス経済政策の破綻による円安によって、天然ガス及び原油の輸入価格が高騰したため、近年の電気料金の高騰には恐怖を覚えるほどである。
エネルギー価格の高騰はあらゆる生活必需品の高騰につながる。これは貧しい世帯にも容赦なく襲いかかる。貧しい家庭ほど苦しめられるのは消費税と同じである。

我が家は数年前から新電力のLooopでんきに契約を切り替えているが、昨今の新電力を取り巻く環境悪化で、電力大手の電気料金の値上がりより遥かに大きな値上がりとなっている。
例えば、昨年11月分では、使用量230kWhで料金6,492円であったものが、今年の11月分では、使用量236kWhで料金12,373円とほぼ倍増しているのである。

内容を分析すれば明らかなように、電力量単価の値上がりよりも遥かに激しく燃料費調整額が高騰しているのである。具体的には昨年は燃料費調整額単価がマイナス1円台であったものが、今年の今はプラス20円前後に跳ね上がっているのだ。
これに対して大手電力の東京電力は、一般家庭の契約であれば燃料費調整単価は国の規制の上限である5.13円に抑えられていた。しかし全ての大手電力で既に上限に到達しており、上限は撤廃されてしまった。東京電力の12月分の燃料調整単価は11.92円と11月分から2.2円も上昇している。

これらの情勢を考慮して当面は安定性を求めてLooopでんきから東京電力に契約変更することにした。これによって電気料金は大きく変わらないだろうが、突然の大きな変動は最小限に抑えられるだろう。要するにしばらくは様子見である。

その後よくよく考えると、また東京電力に戻ってしまえば、せっかく新電力が誕生し、国と巨大電力企業による一極支配から脱する機運が盛り上がってきた好機を逃しかねない。あんな酷い原発事故を起こしながら、反省するどころか原発回帰に執着する国と東京電力を支援することにつながってしまうのだ。そこでLooopでんきとの契約は堅持することに決めた。


我が家は太陽光発電を導入しているので電力会社からの電力購入は最小限で抑えられている。少なくとも多少明るい日中であれば曇っていても家で消費する電力は自給できている。既に10年を経過してFITは終了しているが、太陽光発電を導入していない家庭よりはだいぶ有利ではある。これで十分な蓄電設備があったらこんな状況でも左団扇だっただろう。

公共施設はもちろん、一般家庭の屋根の面積は広大である。何も森林を伐採したり田畑を潰したりすることなく太陽光発電設備を設置する場所には事欠かない。ところがあの酷い原発事故から10年以上も経過しているのに、日本の屋根には太陽光パネルがまばらである。国が過去の原発への姿勢と同じように積極的に進めていたら、今頃は相当量の天然ガスや石油、石炭の節約になり、電気代の高騰も抑えられていただろう。

民主党政権時代に進展するかに見えた再生可能エネルギーの普及が、自民党政権に戻った途端に頓挫し原発回帰に向かってしまったことが返す返すも残念でならない。
目先の利益のみを追い求め、将来に膨大な負の遺産を積み残していくこの国の悪癖は、日本人の根源的な性癖によるものなのだろうか?