第一次安倍政権が誕生した時も、これで日本は駄目になるだろうなぁと落胆していたものでした。幸いなことに様々な疑惑が噴出し、表向きは病気を理由に退陣に追い込まれ一安心をしたことを覚えています。
ところが彼がまた復活したのには驚きました。
この国の国民は一体何を考えているのだろうと怒りにも似た思いがわき上がってきたものです。
それから5年間、私から見れば次から次へと繰り出される異常な政策に、国民がほとんど反応せず見過ごしていく様を悪夢のように見続けていました。
ちょっと前に読書のコーナーで「アベノミクスによろしく」という本の内容を紹介しました。そこで、好景気を偽装するために、GDP算出にとんでもない細工がなされていることを紹介しました。ほとんど改竄と言って良い操作です。
そこに先日、財務省の公文書書き換え疑惑が朝日新聞によってスクープされたのです。


森友学園への国有地売却に関する財務省の決裁文書が書き換えられた疑惑は、誰もが想像もできないものでした。
安倍政権は今まで森友学園問題、加計問題などで追及されると、記録がない、記憶がない、記録は廃棄したとばかり述べて逃げてきました。しかし公文書を書き換えるということはこれらとは全く次元の異なる暴挙、紛れも無い犯罪行為なのです。一線をはるかに超えた驚愕すべきことなのです。
今回のスクープは森友学園への国有地売却の経緯が本来の手続きと著しく乖離した特殊なものであることを示す物証が出てきたという極めて重大なものです。それと改竄に関係したと言われる職員が一人、自殺?しているのです。とうとう死者まで出てしまいました。実はもう一人、森友学園のゴミ撤去に関連した工事を受け持った土木会社社長も自殺?しているのですが。こちらもメディアは黙殺していました。
通常の政権であればこの一年の間に数回倒れていたことでしょう。
ところがこの安倍政権の異常性が際立つのですが、責任を取るという概念がないようなのです。知らぬ存ぜぬで全く説明しようとせず、野党が要求した憲法で保障された臨時国会の召集さえ無視して今日に至っているのです。
こんな状況を許してきたのは主としてメディアの責任です。特にNHKの政治ニュース報道の姿勢は厳しく問われなければならないでしょう。真実を詳らかに視聴者に知らしめる本来の使命と全く逆の隠蔽に終始した罪は計り知れません。
フジテレビ、日本テレビをはじめとした民放各社も、多数の視聴者に真実を届ける本来の使命を忘れ、デマの拡散に加担した罪から免れることはできません。新聞でも読売、産経の姿勢はあまりにも醜悪で、社会の公器などと呼べる存在ではありません。
その中で宝石のように輝いてくれたのが朝日新聞です。安倍首相からことあるごとに攻撃され続け圧力をかけ続けられていた朝日新聞が、まさに不退転の覚悟で今回のスクープ記事を発表したのです。日本という国が得体の知れない犯罪国家になりつつある危機感と、ジャーナリズム精神の誇りにかけて捨て身で告発したのです。
日本国民は彼らの崇高な使命感と勇気に感謝しなければなりません。彼らは壊れゆく日本を救ったのかも知れないのですから。