瀬木比呂志さん、清水潔さんの「裁判所の正体 法服を着た役人たち」を読みました。
かなり大部の本でなかなかに読み切るのが大変でしたが、ますます日本の司法の後進性と危険性が理解できました。

様々な問題点や改革案などが述べられていますが、一番印象的なのはあとがきに書かれている次のような文章でした。
「裁判所というものは、本来、権力を規制する権力、つまり、市民・国民の代表者として、客観的な視点から、立法や行政の問題をただし、人権を守る「権力チェック機構」、「憲法と法の番人」であるはずだ。にもかかわらず、日本の裁判所は、全体としてみると、むしろ、「権力補完機構」、「権力の番人」となっているのではないか?」「それはマスメディアについても同様にいえることだ」
以前読んだ瀬木比呂志さんの「絶望の裁判所」でもほぼ同様の指摘がありました。
だからこそ、今日本は安倍政権の異常な暴走にブレーキがかけられず、いたずらに時を浪費し、世界から脱落しつつあるのではないでしょうか?
国民のほとんどが気付かないところでとんでもないことが行われている例を一つ紹介しておきましょう。
最近安倍政権によって任命された最高裁判事に加計学園関係者が異例の抜擢をされているのです。木澤克之氏です。しかもそれを隠すために公報の経歴からその事実が削除されているのです。
もはや司法はとても国民の権利を守る側にいるとは思えませんね。
国民がボーとしている間にこの国は着々と民主主義から遠ざかっているのです。