安倍政権の外交に違和感

NHKの岩田明子氏や、やはりNHKのクローズアップ現代プラスでの甘利議員が盛んに吹聴している「安倍首相がいなかったら世界はバラバラになってしまう」という説明を聞くと、それこそあまりの現実との乖離に強烈な違和感を覚えます。
その違和感を適切に表現してくれている記事があったのでそのまま紹介します。

以下引用開始
——————————————————-
「してるふり」にご注意を
安倍晋三首相の政権運営を巡って「外交が得意」という評価をしばしば耳にする。新聞やテレビでも「不祥事で苦境の安倍首相が、得意の外交で挽回を図る」などの解説を見かける。
共同通信社が6月中旬に実施した世論調査では「安倍政権を支持する理由」で「ほかに適当な人がいない」がトップだが、「外交に期待できる」が2位につけている。「外交が得意」のイメージは広く世間に共有されているようだ。
外交担当記者としては、首をかしげてしまうのだ。本当に安倍首相はそれほどの外交上手なのか。
◇    ◇
安倍氏が首相に返り咲いてから5年半。第1次政権時代も合わせれば、首相在任期間は戦後3位だ。
外交問題は一朝一夕に動かせないとはいえ、すでに十分な時間を与えられたと考えるべきだろう。
しかし安倍首相自身が最大の課題に掲げる「拉致問題の解決」は現時点まで全く進んでいない。残念なことに、これが事実である。
トランプ米大統領と金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の首脳会談で、楽観はできないにしろ、北朝鮮が非核化へ動く可能性が出てきた。同時に拉致問題解決のチャンスも訪れている。ただし、米朝会談実現の功労者は韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領であり、安倍首相ではない。
もう一つの日本外交の大きな課題は北方領土問題だ。安倍首相はロシアのプーチン大統領とすでに20回以上も会談を重ねているが、経済協力を求められるばかりで、領土問題解決や平和条約締結への道筋は、ほとんど見えてこない。
在任の長さを考えれば、拉致問題や北方領土で一定の成果を上げない限り「外交が得意」などの評価はできないのではないか。アジア外交も停滞している。目立った実績といえるのは、オバマ米大統領(当時)の広島訪問ぐらいだろう。
◇   ◇
ではなぜ「外交が得意」のイメージが広がるのか。私はそこに興味を持つ。
会社勤めを長くしていると「仕事をしているふりがうまい人」がいるのに気付くものだ。読者の皆さん、今、うなずいたでしょ。
安倍首相もこれと同じで「外交で実績を上げてるふり」がうまいだけではないのか、というのが、失礼ながら私の仮説である。
「仕事をしているふり」がうまい人には、いくつかの特徴がある。「得意先の誰々と会った」など途中経過をやたら報告する。小さな成果をアピールする(大きな成果は上がらない)。誰かが大きな仕事をすると「実は自分も関わっていた」と便乗する-などなど。
安倍首相は国会答弁で、北朝鮮が米朝会談に応じた理由について「日米韓が最大限の圧力をかけた成果」と強調している。間違ってはいないだろうが、このうち日本の圧力がどれだけ効果があったかは不明だ。
◇    ◇
会社という世界では、人事担当者の目が節穴なのか、意外と「仕事をしているふりがうまい人」が高く評価されてあぜんとすることがある。読者の皆さん、また、うなずきましたね。
ただ、これが政権となると、査定するのは人事部ではない。われわれ国民である。間違った査定をしないよう、イメージに惑わされず、事実を吟味して正確に評価する目を持ちたい。
(論説副委員長)
=2018/07/22付 西日本新聞朝刊=
———————————————————
以上引用終わり

「世界を俯瞰する外交」と称して、重要な国会での議論を避けてやたらと外遊してはお金をばらまいてくる安倍首相ですが、肝心の国益に資する外交が本当にできているのでしょうか?

単に「やってる感」を演出するために頻繁に海外に出かけて行っては貴重な国の富を流出させているだけではないのでしょうか?

国民はよくよく考えるべきだと思うのですが、、、
何も考えずに安閑としていると、それこそチコちゃんに、
「ボーっと生きてんじゃねえよ!」
と、叱られてしまいますよ。

追記
甘利議員と言えば1200万円もの巨額な収賄疑惑で話題になった人ですよね。
確か睡眠障害で長い間姿を消していたと思うのですが、収賄疑惑について説明する約束になっていたのに未だ全く説明がないですね。それが堂々と国民の前に出てきてかなり偉そうなことを言っているのですが、とんでもない態度だと思います。この人も安倍政権側ということで検察が守って不起訴にしたようですが、今の日本では安倍政権側であれば何をやっても罰せられないようですね。
この国では倫理観はもちろんのこと、法の下での公平正義が完全に崩壊してしまったようです。

追記2
日本では隠されていますが、これが安倍首相が世界でいかに軽視されているかの証拠映像です。

2018092601.jpg
2018092701.jpg

2018年9月26日の国連総会での一般討論演説では、他の世界の首脳の時には満席の会場が安倍首相になるとこの通りガラガラになります。これは今回に限ったことではありません。外交の安倍などと戯言を言っていられるのも、日本の劣化したメディアが真実を伝えないで、安倍首相が世界の中心だなどというNHKのトンデモ偽情報に騙されているからです。有無を言わさず国民から高額な受信料を徴収しながら大本営発表を続けるNHKの罪は限りなく重いと言わざるを得ません。