放射能測定マップ

公文書の隠蔽改竄や統計データ不正など、国の発表が全く信用できない中、待望の一般市民の調査による放射能測定マップが書籍化され誰でも入手できるようになりました。

私も真っ先に入手しました。
データの収集にご苦労された多くの皆様に心から敬意と感謝を表します。

「風評被害」とか、「食べて応援」とか、日本独特の感情論が先行し、客観的な事実が覆い隠されている日本は、まるで時代から取り残された辺境の野蛮な国家のように思えます。太平洋戦争で無謀にもアメリカに戦争を仕掛けるような馬鹿な行動をしたのも頷けます。そのメンタリティーは滅亡の瀬戸際を経験したにもかかわらず依然として脈々と日本社会に蔓延っているのです。恐ろしいことです。

この本では土壌汚染はもちろんのこと内部被曝に直接関係のある食物についても相当詳しく汚染のレベルが調べられています。きっと日常の食生活への活用で大いに参考になることでしょう。
詳しい事実はこの書籍を読んで確認していただくとして、関東地方、特に首都圏が相当に汚染されていることを知って驚くことでしょう。

原発事故から8年が経過して放射能汚染はかなり軽減されつつあるものの、山林や窪地、池や沼など、依然として異常に高濃度の放射能汚染の場所があるので注意が必要です。各人が自らの判断で慎重に対処することが求められます。
放射能被曝の影響はすぐには現れません。何年も経って初めて分かるのです。絶対安全な線量などという閾値は存在しないと考えるべきでしょう。被曝が少なければ少ないだけ身体への影響はなくなると考えるべきです。

各人が日常生活で自らの判断基準でこの書籍を活用できれば、いらぬ心配をしすぎたり、あるいはその逆にあまりにも無警戒に危険な行動をとることを防げると思います。

何れにせよ、原発事故は収束したわけではなく、いまだに事故で破壊された原子炉の燃料プールにはむき出しの使用済み燃料が大量に存在し、冷却が失われれば重大な放射能の放出が起こりうる状態のままです。そして汚染水は毎日増加し、貯蔵タンクは間も無く限界に達します。放射能は完全にコントロールされていると世界に向けて宣言したのにも関わらず、現在放射性物質の放出は今までの2倍とむしろ増大している状態です。

原発事故の収束は全く見えていません。国民はこの事実を直視し、原発の再稼働を強行する国にノーという審判を下す必要があると思います。子や孫たちのためにもこれ以上国を汚してはいけないと思うのです。